グッドイヤーウェルテッド製法の革靴は、ソール(靴底)を交換しながら長く履き続けられるところがメリットです。
今回、所有するスコッチグレインの革靴のソールがすり減って修理が必要となったので、スコッチグレイン専門修理工場「匠ジャパン」でオールソール交換を頼んでみました。
この記事では、スコッチグレインの修理を専門としている匠ジャパンで修理をしてみた感想やメリット・デメリットなどを解説しています。
スコッチグレインの修理をお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。
【この記事を書いた人】
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オールソール交換した革靴
今回、オールソール交換を行ったのは、スコッチグレインF0352BL。2年半前にアウトレットのオンラインストアで購入した黒のストレートチップです。
スコッチグレインはコスパの高いシューズブランドとして有名ですが、アウトレットではグッドイヤーウェルテッド製法の靴が1万円台後半〜2万円台前半とさらにコスパよく購入することができます。
購入から約2年半、週2(多いときは週3)のペースで履いて、仕事用の革靴としてかなり重宝してきました。
購入当初のF0352BLです。
購入から約2年半後のF0352BL
私はこの靴を19,800円で購入しました。
そして今回オールソールにかかった費用は、送料込みで約14,000円(2022年8月当時)。
あと5千円ちょっと出せば新品が購入できる料金じゃん…と思われるかもしれませんが、約2年半「ガッツリ履いてしっかりお手入れ」してきた革靴です。
いい感じにエイジングされて自分の足に馴染んだ靴は、お金で買うことはできません。
というわけで迷わず修理を選択しました。
【あわせて読みたい】
スコッチグレイアウトレットやF0352BLの詳細は以下の記事をご覧ください。
>>【2万円で履ける】スコッチグレインアウトレットの黒のストレートチップ使用感レビュー
匠ジャパンのオールソール交換をレビュー
スコッチグレインF0352BLのソールは「テクノソール」というスコッチグレイン独自のラバーソールです。
【ちょっと補足】
- テクノソールとは?
- レザーソール(革底)の履き心地に近くなるようにスポンジを発泡させて作られているスコッチグレイン独自のラバーソール。丈夫で薄いためビジネスにも使いやすく、修理の依頼も多い人気のソールです。
ラバーなのにレザーソールを履いているような柔らかい履き心地ですよ。
オールソール交換前
私は普段は内勤のため、一日中歩き回るような営業職とは違ってそんなにソールが減ることは無いのですが、なぜかつま先の消耗がスゴい……。
下の画像は購入から半年ぐらいのソールですが、すでに「出し縫い」の糸が切れています。
そして約2年半後はこうなりました。
ソールが剥がれてしまい、ウェルト部分がむき出しになっています。
このぐらい大丈夫かなと思いましたが、ウェルトが損傷してソールの修理ができなくなっても大変です。
つま先だけ応急的に修理できないか、地元の靴磨き・修理専門店に相談したところ、アウトソールを交換するしか方法はないとのこと。
<参考>グッドイヤーウェルテッド製法の断面図
つま先だけでなくサイド(外側)のソールも、もう少しでウェルトに届きそうな感じに減っています。
もはや私の歩き方に問題がある気が……。
ヒール部分はそこまで減っているわけではないので、ちょっともったい感じもしました。
事前にご相談した地元の靴磨き専門店に修理をお願いしようか、ギリギリまで悩みましたが、今回は匠ジャパンにお願いすることに。
というわけで、専用のオーダーシートに必要事項を記入し、靴と一緒に郵送します。
※専用の伝票は匠ジャパンのHPからダウンロードできます。>>匠ジャパン公式HPはこちら
オールソール交換後
匠ジャパンへ靴を送って約1か月ちょっと。修理されたスコッチグレインが戻ってきました!
匠ジャパンに修理を頼むと、サービズで靴磨き(ワックス仕上げ)をしてもらえます。靴が黒光りして返ってきました。
ソールがキレイに張り替えられています。
張り替え後のソールは「SGテクノソール」です。
レザーソールも考えたのですが、ガシガシ履くにはやっぱりラバーだなと思い、修理前と同じテクノソールを選びました。
アウトレットのテクノソールには凹凸がないですが、交換したものにはプレス加工がされています。
オンライン限定で販売されている「WEB LIMITED」に使われているソールと同じです。
ヒールも新しいものに交換されてきました。
インソールは無料で新しいものと交換してもらえます。
中底はそのまま。
ソール交換して気づいたこと💡
ソールを交換して気付いたことが一つ。
アウトレットのソールは、正規品のソールと比べて少しだけ薄くて軽かったようです。
✔ソールの厚さ
✔靴の重さ
ソール交換前 → 700グラム
ソール交換後 → 900グラム
正規品のテクノソールに交換したら、重さが200グラムほど重くなりました。
その分履き心地が良くなったというかクッション性が増した感じがします。
SGテクノソールを使ったオンライン限定「WEB LIMITED」はこちら↓
匠ジャパンの基本情報
オールソール交換を依頼した匠ジャパンの基本情報を解説します。
匠ジャパンの会社情報
匠ジャパンはスコッチグレインの修理・メンテナンス専門工場です。
会社名 | 有限会社 匠ジャパン |
所在地 | 〒131-0034 東京都墨田区堤通1-17-24 |
代表 | 廣川益弘 |
設立 | 2001年09月 |
公式サイト | http://www.takumijapan.co.jp/ |
匠ジャパンの修理メニュー
匠ジャパンの修理メニューと価格は以下のとおりです。
オールソール交換
様々な種類のソールが用意されています。
トップゴム・レザーソール (シングルソール) | ¥15,950 |
トップゴム・レザーソール (ダブルソール) | ¥17,600 |
ノンスリップ・レザーソール | ¥15,950 |
スリーポイント・レザーソール | ¥17,600 |
テクノソール | ¥13,750 |
SGソール | ¥14,300 |
グリッパーソール | ¥15,400 |
グリッパーテクノソール | ¥14,300 |
ファイバーグリップソール | ¥15,400 |
SGレッドソール | ¥15,400 |
アクトソール | ¥14,850 |
ヒール交換
ヒール交換のメニューと価格です。
ゴムヒール
スコッチヒール | ¥4,950 |
SGヒール | ¥4,950 |
ファイバーヒール | ¥5,280 |
化粧ゴム直し
スコッチ化粧 | ¥4,950 |
アクト化粧 | ¥4,950 |
グリッパー化粧 | ¥4,950 |
※積み上げ部分も修理が必要な場合はプラス550円
その他の修理
その他、靴の中のかかと部分の修理やタッセルローファーのタッセル部分の修理などを依頼できます。
腰裏直し (必要な場合は腰テープ含む) | ¥3,300 |
タッセル直し (キルト含む) | ¥3,300 |
甲ゴム (モンクストラップゴム含む) | ¥3,300 |
匠ジャパンへの修理依頼の流れ
匠ジャパンへの修理依頼の流れは以下のとおりです。
- オーダーシートに必要事項を記入
- 靴を匠ジャパンへ郵送
- 匠ジャパンで修理箇所を確認
- 修理
- 代金引換で靴が届く
➊オーダーシートに必要事項を記入
匠ジャパンの公式サイトからオーダーシート(修理依頼書)をダウンロードして必要事項を記入するか、 任意の用紙に①名前、②住所、③電話番号(昼間につながる番号)、④メールアドレス、⑤修理内容を記入します。
❷靴を匠ジャパンへ郵送
オーダーシート(修理依頼書)と靴を段ボールに入れて、匠ジャパンへ郵送します(往路の送料はこちらの負担です)。
※郵送だけでなくスコッチグレイン直営店や全国の製品取扱店でも受け付けています。
靴は片方だけの修理でもワックス仕上げのサービスがあるので、必ず左右両方郵送してください。
オールソールを頼むと、靴ひもとインソール(ヒール)の交換も無料です。
➌匠ジャパンで修理箇所を確認
靴が匠ジャパンに届いて状態の確認が終わると、職人の方から修理内容や修理のアドバイス、料金、修理期間などについて電話があります。
平日の日中に連絡が来るので、出られるようにしておきましょう。
修理が不可能な場合はその旨の話があり、返却されるようです(送料は匠ジャパンが負担)。
➍修理
修理内容に問題なければ、修理に入ります。
修理期間は通常オールソールで40日前後、ヒール・化粧直し30日前後(年末年始を除く)です。
私が依頼した当時(2022年)は60~70日ほどかかるということでしたが、現在は早くなっているようですね。
➎代金引換で届く
修理が終わると代引きで商品が届きます(送料や代引き手数料は匠ジャパン負担)。
クレジットカード払いなどの電子決済が利用できないのがちょっと不便……。
箱の中には靴と一緒に匠ジャパンからのお礼状が入っていました。
匠ジャパンのメリット・デメリット
匠ジャパンでオールソール交換をするメリットとデメリットを解説します。
メリット
匠ジャパンでオールソール交換をするメリットは以下の3つです。
- 純正パーツで修理してもらえる
- 料金がリーズナブル
- ワックス仕上げや靴ひも、インソール交換が無料
純正パーツで修理してもらえる
匠ジャパンの最大の魅力は、やはり純正パーツで修理ができる点だと思います。
レザーソールだと「トップゴムレザーソール」、ラバーソールだと今回修理した「テクノソール」やシャインオアレインでおなじみの「SGソール」に修理することができます。
画像出典:匠ジャパン公式サイト
料金がリーズナブル
匠ジャパンの料金は、一般の靴修理店よりかなりリーズナブルです。
通常、オールソールをする場合、レザーソールで約2万円〜2万5千円、ラバーソールでも1万5千円〜2万円ぐらいかかります。
匠ジャパンは、レザーソール1万5千円(トップゴムレザーソールの場合)、ラバーソールで1万3千円ぐらい(テクノソールの場合)です。
ワックス仕上げや靴ひも、インソール交換が無料
匠ジャパンに修理を頼むと、靴磨き(ワックス仕上げ)が無料です。
オールソールを頼んだ場合は、さらに靴ひもとインソール(ヒール)の交換も無料になります。
これだけでもかなりお得ですね。
デメリット
匠ジャパンのデメリットも紹介します。
- 料金支払いは代引きのみ
- 連絡が日中の電話のみ
料金支払いは代引きのみ
匠ジャパンへの料金の支払いは代金引換(現金払い)のみです。靴を配達する宅配業者へ料金を支払います。
銀行振込みやクレジットカードなどの電子決済に対応していないのでちょっと不便です。
連絡が日中の電話のみ
匠ジャパンからは修理に入る前と修理が終わった後に電話で連絡がありますが、平日の日中のため、電話に出られるようにしておく必要があります。
私のときも仕事中に連絡があり出られなかったため、休憩時間に折り返して対応しました。
匠ジャパンFAQ
匠ジャパンのよくありそうな質問にお答えします。
Q.オールソール交換をする目安や時期は?
ソールに穴があいて中物が見えてきた場合、穴があいていなくても手で押してソールが薄くなっているような場合が交換の目安です。
ソールが削れてウェルト部分に影響しそうなときも修理が必要になります。
Q.郵送のみの対応?
郵送だけでなく、匠ジャパンへ直接持ち込むことも可能です。また、スコッチグレイン直営店、全国の製品取扱店(アウトレット店など)でも受け付けしています。
Q.送料はどっちの負担?
匠ジャパンへ靴を送る際の送料はお客様負担になります。修理が終わった後や修理ができずに返却する際の送料は匠ジャパンの負担です。また、修理代金支払いのための代引き手数料も匠ジャパンが負担します。
まとめ|スコッチグレインの革靴を修理するなら匠ジャパンがおすすめ
この記事では、実際にスコッチグレインの革靴を匠ジャパンで修理してもらった感想やメリット・デメリットなどを解説しました。
匠ジャパンで修理をするとスコッチグレインの純正パーツでリーズナブルに修理してもらえます。
さらにオールソール交換をすると靴ひもとインソールの無料交換やワックス仕上げまで付いてくるのでかなりお得です。
スコッチグレインの革靴の修理を検討されている方は、ぜひ試してみてください。
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