ドイツの皮革ケアブランドであるタピールが展開するレーダーオイル。革靴の汚れを落としながら保革もできる革製品の万能薬です。
天然素材のやさしいオイルが皮革に浸透するので、革を保湿(油分補給)したい場合や革を柔らかくしたい場合に最適といえます。
レーダーオイルの「レーダー」はドイツ語で「革」のことなので、レザー用オイルという意味です。
私は、レーダーオイルをずっと愛用しており、特に買ったばかりの革靴を柔らかくするプレメンテナンスやガラスレザーの保革にかなり重宝しています。
この記事では、そんなレーダーオイルについて、実際に使ってみたリアルな感想などをお伝えしていきます。
✔タピールレーダーオイルのメリット・デメリット
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タピールのレーダーオイルの基本情報
タピールのブランドを紹介し、レーダーオイルの成分などを解説します。
タピールはドイツの皮革ケアブランド
タピール(TAPIR)はドイツの皮革ケアブランドです。
一般的な革靴のお手入れ用品は、石油系の有機溶剤や乳化剤、酸化防止剤などが含まれていますが、タピールの製品は天然素材だけで作られています。
タピールの創業者が、石油化学系の素材で作られた靴磨き製品が多いのがイヤで、自分たちで自然に優しい天然素材だけのケア用品を作ろうとしたのが始まりです。
容器もプラスチックなどの石油系が原料のものは使わず、昔ながらの缶や瓶を使うという徹底ぶりです。
確かに、他のメーカーの靴クリームなどは少し石油系の溶剤のニオイがしますが、タピールの製品はそういうニオイはありません。
レーダーオイルの成分
レーダーオイルの成分は3種類のオイルと酢です。オイルは保湿と汚れ落としの効果、酢は除菌効果があります。
【レーダーオイルの成分】
ひまし油、なたね油
天然植物系のオイルで浸透力が高く、革に浸透して保湿。
オレンジテレピンオイル
オレンジの皮から蒸留して作られた天然の溶剤で、ワックスやクリームを溶かす。
酢(食用ワインビネガー)
天然酢の殺菌効果により、革の表面や内部を除菌する。
天然素材にこだわるだけあって、材料に食用のワインビネガーまで使っています。
レーダーオイルのメリット
レーダーオイルのメリットは以下の4つです。
- 革にやさしい天然オイル
- 汚れ落としと保湿(油分補給)など様々な用途に使用できる
- ガラスレザーの保革も使える
- 革靴以外のケアにも使える
詳しく解説します。
革にやさしい天然オイル
石油化学系の溶剤はどうしても革に負担を与えてしまいますが、レーダーオイルは天然素材の成分だけを使用しているので、革にやさしいです。
油分がしっとり浸透して、しっかり保湿することができます。
汚れ落としや保湿など様々な用途に使用できる
レーダーオイルの正式な用途は皮革の汚れ落とし(クリーナー)ですが、オイルの浸透性が高く効果的に油分補給ができるので、様々な用途にも使うことができます。
私はレーダーオイルを以下の用途で使っています。
- 雨で濡れた靴を乾燥させたあとの保湿
- 新品の靴のプレメンテナンス(革を柔らかく)
- ライニング(靴の内側)に塗って靴擦れ防止
- レザーソールのメンテナンス
- オイルドレザーの油分補給
特に、雨で濡れたあとの乾燥後の油分補給(保湿)や、新品の靴のプレメンテナンスで革を柔らかくしたい場合に重宝しています。
ガラスレザーの保革も使える
ガラスレザーは、顔料系の塗料や合成樹脂を使って表面を均一に仕上げた革です。
合成樹脂により水に強く汚れが付きにくい反面、クリームが革に浸透しづらく、水分や油分の補給ができないデメリットがあります。
レーダーオイルは粒子が細かく浸透しやすいオイルなので、ガラスレザーにもしっかり浸透し保湿ができるのではないかと考え、ガラスレザーのメンテナンスに使っています。
モチモチというのは大げさですが、革が柔らかくなり、ちゃんと保革できてるように感じます。
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革靴以外のケアにも使える
レーダーオイルは革靴だけでなく、皮革製品全般、木製品にも使うことができるため、私はスーツのベルトや腕時計のベルトなどが汚れたなと感じたら、レーダーオイルを塗り込んで保革しています。
革ベルトは、使っていると汗などで固くなったりしますが、レーダーオイルを塗るといい感じに柔らかくなります。酢で除菌もできますし。
レーダーオイルのデメリット
レーダーオイルを使ってみたデメリットも紹介します。
- たくさん塗りたくなる(油分過多になる)
- ツヤ出し効果は弱い
- 瓶が倒れやすいかも
たくさん塗りたくなる(油分過多になる)
オイルの浸透力が高く塗れば塗るだけ浸透するので、塗り過ぎてしまいがちです。
塗りすぎるとマットな感じになって、クリームを塗っても全然光沢が出なくなりますし、油分過多になり靴の形が崩れるおそれがあります。
オイルを染み込ませた布で、靴を1〜2周、多くても3周ぐらいでやめておいた方がいいです。
ツヤ出し効果は弱い
タピールの公式サイトには、ツヤ出し効果もあると記載がありますが、塗ったあとに光沢が出る感じはありません。
革靴のお手入れでツヤ感を出したい場合は、乳化性クリームやワックスなどを併用する必要があります。
瓶が倒れやすい
マイナスポイントになるかどうかですが、瓶が細長いため倒れやすいです。フタを取った状態で倒れたらオイルがこぼれて大惨事になりそうです……。
私は、少し面倒ですがオイルを布に染み込ませるごとにフタを締めるようにしています。
レーダーオイルをレビュー
レーダーオイルの使用感などをレビューします。
レーダーオイルの使用感
レーダーオイルは、見た目はオリーブオイルのような感じですが、オリーブオイルよりはとろみが少なくサラサラした質感です。
蓋を開けると柑橘系の爽やかな香りが広がります。
レーダーオイルの使用方法
レーダーオイルはクリーナーですが、汚れを落としたいときに使うというより、靴が乾燥して油分補給をしたいときや革を柔らかく保ちたいときに使います。
瓶をよく振って、オイルと酢を混ぜる
瓶を置いていると、オイルと酢の成分が分離しているので使用前によく振って混ぜます。
レーダーオイルを布に染み込ませる
手にいらない布(Tシャツの切れ端など)を巻いて、レーダーオイル口に付けて瓶を上下に振ります。
布にレーダーオイルを染み込ませます。
靴に塗り込む
靴に塗り込みます。履きジワから右回りで1周、左回りで1周ぐらいの感じで大丈夫です。
レーダーオイルを塗ったあとです。結構、革の色が濃くなって少しツヤも出ました。
レーダーオイルを塗ったら
レーダーオイルを塗ったら、そのまま1日ぐらい置いてオイルを浸透させます。
ここからは、普通の靴磨きの手順で乳化性クリームを塗布していきます。
革を押してみると結構、モチモチした質感です。レーダーオイルが効いている感じ?
豚毛ブラシでブラッシングして、クリームを馴染ませます。
ストッキングで余分なクリームを拭き取ります。
お手入れ終了です。
レーダーオイルの口コミ
レーダーオイルの良い口コミと悪い口コミを紹介します。
良い口コミ
- 伸びが良く長持ちする。
- 革製品がしっとりなめらかになって良いです。
- ミンクオイルよりも浸透する。香りも柑橘系で良い。
- 皮がもっちりするので、乾燥しがちな革製品には最高。
良い口コミは、革がしなやかになることやニオイが良いという声が多い印象です。
悪い口コミ
- 瓶からオイルが垂れてしまう。
- ワックスの落ちがイマイチだった。
- 一部染みになってしまった。
良くない口コミはあまり見つけることができませんでしたが、瓶が使いづらいこと、シミができてしまったという声がありました。
タピール レーダーオイルをレビュー|まとめ
この記事では、タピールのレーダーオイルをレビューしました。
レーダーオイルは、天然素材のやさしいオイルが皮革に浸透するので、革を保湿(油分補給)したい場合や革を柔らかくしたい場合に最適です。
クリームが浸透しないといわれるガラスレザーの靴にもちゃんと浸透して保革してくれます(気のせいではないはず…)。
革靴だけでなく革製品全般に使うことができるので、革をいい感じにエイジングさせたい方はぜひお試しください。
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