
いろいろ悩んで、ようやく革靴を購入。ウキウキな気分で箱から靴を取り出して、新品の革靴を履いてさあ外へ出発!
ちょっと待ってください!
その気持ち、ものすごく分かりますが、購入したばかりの革靴を何もせずいきなり履いてしまうと、自分の足も革靴も痛めてしまうかもしれません。
この記事では、購入したばかりの新品革靴にすべきお手入れ(プレメンテナンス)について解説します。
【この記事を書いた人】

革靴歴約25年のサラリーマンが解説します。
- 『靴磨き知識アドバイザー』
- 革靴は仕事道具。「ガッツリ履いて、しっかりお手入れ」がモットーです。
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プレメンテナンスとは

プレメンテンナンスとは、その名のとおり履き下ろし前の事前メンテナンスのことです。新品の革靴をお手入れして水分や栄養分を補給します。
プレメンテナンスといっても何か特別なことをするわけではなく、通常のお手入れのように汚れを落としてクリームを入れてあげるだけです。
靴のライニング(内側)にも保湿用のクリームを塗って革を柔らかくします。

革を柔らかくして、足への履き馴染みを良くします。
なぜプレメンテナンスが必要?

プレメンテナンスを行う理由は以下の2つからです。
- 革への負担を軽減して長持ちさせる
- 新品の硬い革に柔軟性を与え、足馴染みを良くする(靴ずれを防止)
革への負担を軽減して長持ちさせる
新品の革靴でも、自分に買われてくるまで「どこ」で「どのように」保管されていたかは分かりません。
工場で作られてすぐであれば良いですが、店頭や倉庫にずっと置かれていた靴はお手入れされることもなく、相当乾燥が進んでいます。
乾燥した革は柔軟性が失われて固くなっているので、いきなり履いて歩くということは、寝起きに準備運動なしでダッシュするようなものです。

そんなことをしたら、すぐにケガをしてしまいますよね。
プレメンテンナンスは、その後の靴の寿命にも影響してきますので、革靴を大事に履いていきたいと思っている方は絶対にしておいた方が良いです。
足馴染みを良くする(靴ずれを防止)
買ったばかりの革靴のイメージって、痛くて靴ずれになるイメージがありませんか?
プレメンテナンスを行うことで革靴に柔軟性を与え、履き心地をよくすることができます。
特に靴のライニング(靴の内側)にデリケートクリームを入れると、靴ずれを防ぐことができます。私は、プレメンテナンスをするようにしてから靴ずれになったことがありません。

プレメンテンナンスをするかしないかで、最初の履き心地が全然違いますよ。
プレメンテナンスの方法

プレメンテナンスといっても特別なことではなく、通常の靴のお手入れ方法とあまり変わりません。
【プレメンテナンスでやること】

プレメンテナンスってこんなにやることあるの……めんどくさ
初心者の方に全部の作業は難しいと思います。そもそも、いきなりこんなケア用品も揃えられないですよね。
そんなときは、③の「デリケートクリームで保湿」これだけやりましょう。

デリケートクリームで保湿するだけでも、プレメンテナンスとしては十分です。
それでは、順番にやっていきましょう。
①クリーナー(リムーバー)で汚れを落とす
新品の革靴なのにと思うかもしれませんが、靴が作られてから自分に手元に届くまでにどのぐらい経っているか分かりません。
靴を作る工程では、最後に靴クリームで仕上げをしていることが多いので、保管期間が長いほど古いクリームが付いていることになります。

新品ですが、古いクリームをクリーナーで落としましょう。


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水性で革にやさしいのはモウブレイのステインリムーバーです。きっちり汚れを落としたい方は、サフィールのレノマットリムーバーがおすすめです。
②デリケートクリームで保湿【重要!】
プレメンテナンスの作業はいろいろありますが、とりあえずコレだけはしておきたいです。
デリケートクリームは、革靴に潤いを与えるための水分量が多いクリームです。


ライニング(靴の内側)へ塗る
履く前に靴の内側へ塗り込むことで、内側の革を柔らかくし、靴ずれなどを防ぐことができます。




革靴が硬いなと思うとき、靴の中の革にデリケートクリームを塗り込むと、劇的に履き心地が変わります。
アッパー(甲革)へも塗る
乾燥したアッパーにも塗って水分補給を行います。


革が乾燥していると、靴がクリームを飲むようにどんどん吸い込まれていくのが分かります。


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定番はモウブレイのデリケートクリームです。これを持っておけば間違いないです。
レーダーオイルで柔軟性を与える

「タピール」は、ドイツの皮革製品のケア用品ブランドです。そのタピールで、自然素材にこだわって作られた皮革用クリーナーがレーダーオイルです。
本来の用途はクリーナーですが、ひまし油やなたね油など天然成分を使用していて、栄養補給や革に柔軟性を与えることにも使うことができます。
これ1本で、汚れ落としから栄養補給までできる万能ケア用品です。

布にレーダーオイルを染み込ませます。

アッパー(甲革)全体に塗っていきます。

塗りすぎると、油分過多になってしまうので、一回りぐらい塗ったら終わりにしてください。

オイルがどんどん革に染み込んでいくので、塗りすぎは注意が必要です。
レーダーオイルを塗ったら、1日ぐらいおいて全体に浸透させましょう。

乳化性クリームで栄養補給とツヤ出し

通常の靴磨きのように、乳化性クリームを塗って栄養補給とツヤを出します。

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高級感ある感じに光らせたいという方は、サフィールのクレム1925がおすすめです。
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プレメンテナンスで靴ずれを防止|まとめ
この記事では、新品の革靴を購入したらぜひ、やっておきたいプレメンテナンスについて解説しました。
いろいろ悩んで購入した革靴をすぐ履きたい気持ちは分かりますが、グッとこらえて革靴に水分と油分を与えてあげましょう。これだけで靴の寿命が違ってきます。
それに、ライニング(靴の内側)をお手入れすれば、靴ずれも防ぐことができます。

買ったばかりの革靴をいきなり履くのは、靴にも足にも悪いです。
せっかく購入した革靴ですので、末永く履いていけるようお手入れしていきましょう。
まずはデリケートクリームを購入してメンテナンスしましょう。
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