革靴に栄養や水分を補給し、いい感じにツヤを出してくれる乳化性クリームや油性クリーム。革靴のお手入れに欠かせないクリームです。
ただ、いざ購入しようと思っても、いろんなメーカーから販売されていて何を買ったらよいか迷ってしまいますよね。
- 乳化性、油性クリームを選ぶポイントは?
- メーカーごとの特徴や違いは?
- 実際に使ってみた感想が知りたい
この記事では、こんな悩みを解消します。
革靴のお手入れ用として乳化性クリームや油性クリームを購入しようと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
✔この記事で紹介する乳化性、油性クリーム
メーカー・商品名 | 塗りやすさ | 光りやすさ | 補色性 | コスパ (ml/円) | 標準価格 (税込み) | 容量 | 色の種類 | 生産国 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
M.モゥブレィ・ シュークリームジャー | (5.0 / 5.0) | (3.0 / 5.0) | (4.0 / 5.0) | 19.8円 | 990円 | 50ml | 60種類 | イタリア |
コロンブス・ シルバーラインシュークリーム | (3.5 / 5.0) | (3.5 / 5.0) | (3.5 / 5.0) | 16円 | 880円 | 55ml | 40種類 | 日本 |
コロンブス・ ブートブラックシュークリーム | (3.5 / 5.0) | (4.0 / 5.0) | (4.5 / 5.0) | 20円 | 1,100円 | 55ml | 36種類 | 日本 |
サフィール・ ビーズワックスファインクリーム | (4.0 / 5.0) | (4.5 / 5.0) | (4.0 / 5.0) | 22円 | 1,100円 | 50ml | 70種類 | フランス |
サフィールノワール・ クレム1925 | (4.0 / 5.0) | (5.0 / 5.0) | (4.5 / 5.0) | 32円 | 2,420円 | 75ml | 16種類 | フランス |
【ちょっと補足】
- 乳化性クリームと油性クリームの違い
- 乳化性クリームが、油分と水分の混合なのに対し(そのため乳化性といいます)、油性クリームには水分が配合されていません。通常、油脂やロウ分のみのクリームは栄養補給には向きませんが、クレム1925のように栄養や革にしなやかさを与えることができるクリームもあります。
【この記事を書いた人】
革靴歴約30年のサラリーマンが解説します。
- 『靴磨き知識アドバイザー』
- 革靴は仕事道具。「ガッツリ履いて、しっかりお手入れ」がモットーです。
- 詳しいプロフィールはこちら。
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乳化性クリーム、油性クリームの役割は栄養補給とツヤ出し
昔から「靴墨」とか言われている、革靴用のクリーム、いわゆる「靴クリーム」ですが、一言で靴クリームと言ってもいろんな用途や役割があります。
革靴用クリームの種類と用途
革靴のお手入れに使う靴クリームには、主に3つの種類があり、それぞれ用途が違います。
乳化性クリーム、油性クリームの役割
乳化性クリーム、油性クリームは、革靴に適度な栄養やツヤを与える革靴のお手入れには欠かせないクリームです。乳化性クリームには水分、油脂、ロウ、有機溶剤が配合され、油性クリームには水分が入っていません。
各メーカーによって配合比率が違っており、それぞれ特徴があります。
【あわせて読みたい】
>>【乳化性?油性?ワックス?何が違う?】靴クリームの選び方を解説
乳化性クリーム、油性クリームを選ぶポイント
- 塗りやすさ
- 光りやすさ(艶(つや)感)
- 補色性
塗りやすさ
滑らかで伸びがあるクリームは、靴に塗りやすく初心者にオススメです。固い質感のクリームだと塊が残ってしまったり、革に馴染みにくい場合があります。
光りやすさ(艶(つや)感)
せっかく靴磨きをするので、しっかり光沢感を出したいですよね。メーカーによってロウ分の配合が違うので光り方も違います。
補色性
革靴を履いていると色あせてきたりキズが付いたりしますので、革にしっとりと色をのせて、いい感じに補色したいです。
おすすめの乳化性クリーム、油性クリーム5選
今回、比較する革靴用クリームは以下の5種類です↓
【比較する革靴用クリーム】
※見たいクリームをクリックするとジャンプします。
【比較表】
メーカー・商品名 | 塗りやすさ | 光りやすさ | 補色性 | コスパ (ml/円) | 標準価格 (税込み) | 容量 | 色の種類 | 生産国 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
M.モゥブレィ・ シュークリームジャー | (5.0 / 5.0) | (3.0 / 5.0) | (4.0 / 5.0) | 19.8円 | 990円 | 50ml | 60種類 | イタリア |
コロンブス・ シルバーラインシュークリーム | (3.5 / 5.0) | (3.5 / 5.0) | (3.5 / 5.0) | 16円 | 880円 | 55ml | 40種類 | 日本 |
コロンブス・ ブートブラックシュークリーム | (3.5 / 5.0) | (4.0 / 5.0) | (4.5 / 5.0) | 20円 | 1,100円 | 55ml | 36種類 | 日本 |
サフィール・ ビーズワックスファインクリーム | (4.0 / 5.0) | (4.5 / 5.0) | (4.0 / 5.0) | 22円 | 1,100円 | 50ml | 70種類 | フランス |
サフィールノワール・ クレム1925 | (4.0 / 5.0) | (5.0 / 5.0) | (4.5 / 5.0) | 32円 | 2,420円 | 75ml | 16種類 | フランス |
M.モゥブレィ シュークリームジャー
✔塗りやすさで選ぶならコレ!
ポイント | 評価 |
---|---|
塗りやすさ | (5.0 / 5.0) |
光りやすさ | (3.0 / 5.0) |
補色性 | (4.0 / 5.0) |
本場欧州の伝統的なレシピで作られたクリームで、イギリスの王室御用達のまさに「ザ・乳化性クリーム」といった感じのクリームです。
クセがないクリームで自然な感じに仕上げることができますので、初心者にオススメです。
【実際に靴に塗ってみた感じ】
マットで光りにくいと言われているスコッチグレインの「シャインオアレイン」をM.モウブレイ シュークリームジャーで磨いてみました。
ダークブラウンのシュークリームジャーで磨いた「バーウィック」のプレーントゥです↓
【あわせて読みたい】
>>M.モゥブレィ シュークリームジャーをレビュー【自然なツヤ感!】
コロンブス シルバーラインシュークリーム
✔コスパで選ぶならコレ!
ポイント | 評価 |
---|---|
塗りやすさ | (3.5 / 5.0) |
光りやすさ | (3.5 / 5.0) |
補色性 | (3.5 / 5.0) |
日本のシューケア用品メーカー「コロンブス」が、ビギナー向けのクリームとして販売しているクリームです。シルバーの蓋が目印で、靴の量販店などの店頭でもよく見かけます。
今回比較したクリームの中で一番安く、初心者でも手軽に試すことができます。このクリームも初心者にオススメです。
右足(向かって左側)がM.モゥブレィシュークリームジャー、左足(向かって右側)がシルバーラインシュークリームで靴磨きしてみました。
シルバーラインシュークリームの方がツヤが出ています。
コロンブス ブートブラックシュークリーム
✔補色性(特にブラック)で選ぶならコレ!
ポイント | 評価 |
---|---|
塗りやすさ | (3.5 / 5.0) |
光りやすさ | (4.0 / 5.0) |
補色性 | (4.5 / 5.0) |
日本のシューケア用品メーカーである「コロンブス」の中でも最上級の「プレステージライン」にラインナップされているクリームです。
先ほど紹介したシルバーラインよりも着色力と光沢効果を向上させるワックスを配合しています。
日本の有名なシューメーカーであるスコッチグレインの靴のお手入れでも推奨されていて、スコッチグレインの店舗やオンラインストアでも販売されています。
しっとりとしたツヤ感で、個人的にはスコッチグレインの革靴と相性がよいと思います。
【実際に靴に塗ってみた感じ】
M.モゥブレィシュークリームジャーと塗った感じの比較です↓
右足(向かって左側)がM.モゥブレィ、左足(向かって右側)がブートブラックです。
画像だと少し分かりづらいですが、ブートブラックの方が少しだけ黒に重厚感があります。
【あわせて読みたい】
サフィール ビーズワックスファインクリーム
✔バランスよいクリームならコレ!
ポイント | 評価 |
---|---|
塗りやすさ | (4.0 / 5.0) |
光りやすさ | (4.5 / 5.0) |
補色性 | (4.0 / 5.0) |
ミツバチが巣を作る時に分泌するろうを主成分とするビーズワックスやアーモンドオイルが配合されていて、保革、ツヤ出しに優れています。
どの項目もバランスがよく、持っていて間違いのないクリームです。
【実際に靴に塗ってみた感じ】
スコッチグレインの「シャインオアレイン」をビーズワックスファインクリームで磨いてみました。
【あわせて読みたい】
サフィールノワール クレム1925
✔光りやすさ(ダントツ)と補色性で選ぶならコレ!
ポイント | 評価 |
---|---|
塗りやすさ | (4.0 / 5.0) |
光りやすさ | (5.0 / 5.0) |
補色性 | (4.5 / 5.0) |
サフィールノワール クレム1925は油性クリームになります。
ビーズワックス、カルナバワックス、シアバターを主成分とするサフィールの最高級クリームです。
とりあえず、四角い瓶がおしゃれでカッコいいです。玄関に置いておくと映えます。
専門家も市販の靴クリームの中では絶対に外せないアイテムと言っているクリームです。最終的にはコレを持っていれば間違いないです。
【ちょっと補足】
- 油性クリームなのに保湿や栄養補給ができる理由
- 普通の油性クリームは革に浸透せず保湿や栄養補給には向きませんが、クレム1925の場合はシアバターなどの植物性の油分が配合されているため、革に浸透して保湿や栄養補給ができます。それにワックスに近い成分なので、乳化性より光沢を出せるクリームです。
【実際に靴に塗ってみた感じ】
スコッチグレインの「シャインオアレイン」をサフィールノワール クレム1925で磨いてみました。
マットな質感で有名ですが、クレム1925で磨くとツヤツヤです。ワックスで光らせたみたいですが、革はしっとりと柔らかい感じになります。
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乳化性クリーム、油性クリームの質感を例えるなら
完全に私の主観ですが、本記事で解説したクリームの質感をパンに塗るモノで例えてみました。
メーカー・商品名 | 例えるなら | 理由 |
---|---|---|
M.モゥブレィ・シュークリームジャー | シュガーバター | シルキーで浸透するので |
コロンブス・シルバーラインシュークリーム | チョコレートクリーム | 溶けたチョコレートを塗っている感じが |
コロンブス・ブートブラックシュークリーム | 高級チョコレートクリーム | 深みのあるブラックとビターな質感が |
サフィール・ビーズワックスファインクリーム | ピーナッツクリーム | 油分が多く靴に塗ったときの伸びやヌルっとした感じが |
サフィールノワール・クレム1925 | 高級バター | 浸透力が高くツヤ(テカリ?)がすごいので |
なぜパンに塗るモノで例えた?
クリームの感じをどうにかお伝えしたくてパンに塗るモノで例えてみましが、ちょっと無理がありますかね……。
乳化性クリーム、油性クリームの使い方(靴磨き方法)
乳化性クリームを購入したらさっそく靴を磨いてみましょう。
乳化性クリーム、油性クリームを塗る準備
まず靴のシューレース(靴紐)を取ります。
馬毛ブラシでホコリを払います。
※馬毛ブラシがない方は、濡らした布を固く絞り、ホコリを拭き取りましょう。
シュークリーナー(リムーバー)がある場合は、クリーナーで古いクリームを除去します。
乳化性クリーム、油性クリームを靴に塗り込む
ここから主役の登場です。
クリームを米粒1〜2つ分ぐらいの量を指にとって、履きジワを中心に入念に塗り込みます。
靴全体にも塗り込みます。
せっかくなのでたくさん塗りたくなりますが、塗り過ぎはホコリが付きやすくなったりして逆効果なので注意しましょう。
乳化性クリーム、油性クリームを塗ったあとは
全体にクリームを塗り込んだら、豚毛ブラシでブラッシングしてクリームを靴になじませます(少し強めでOK)。
豚毛ブラシは、馬毛ブラシより固い毛なので、靴にクリームを押し込むことができます。乳化性クリームを均等に広げて、余分なクリームを取り除いてくれます。
その後、いらないストッキングや布切れを使って余分なクリームを拭き取ります。
※豚毛ブラシがない場合は、この作業だけでも大丈夫です。
いい感じに光沢が出ます。ツヤツヤですね!
慣れてきたら、つま先をワックスで光らせる鏡面磨きもオススメです。
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>>【休日の靴磨き完全版】お手入れの手順と方法を革靴歴28年のサラリーマンが解説
クリームが手に付いたときの落とし方はこちらをご覧ください↓
乳化性クリーム、油性クリームを上手に使いたい方へおすすめの本
せっかく乳化性クリーム、油性クリームを購入したので、プロの靴磨きを参考にしましょう!
靴磨きの本
日本の有名なシューシャイナーの長谷川裕也さんが書いた「靴磨きの本」、「続・靴磨きの本」がおすすめです。
プロのテクニックも勉強になりますが、初心者にもわかりやすく写真付きで書かれています。
本の綴じ方が独特で、見たいページを開いたまま置くことができるので、本を見ながら靴を磨くことができます。
続編として「続・靴磨きの本」も出ています。
2冊あればベストですが、どちらかをという場合は、「続」の方がおすすめです。
最高級靴読本(究極メンテナンス編)
靴磨きやシューケアのプロの方が、オススメの革靴のお手入れ道具の話をしています。私はこの本に出てくるような高級靴は持っていませんが、革靴のお手入れ方法などすごく勉強になります。
まとめ|乳化性クリーム、油性クリームで革靴に栄養とツヤを与えましょう
靴磨き用のクリームとしては定番の5種類の乳化性クリーム、油性クリームを比較しました。
最後に身も蓋もないことを言ってしまいますが、今回比較したクリームは、結局、どれを買ってもOKです。
全商品、革靴の栄養補給や光沢感は申し分ないので、何を重視するか自分の好みのものを選んで使ってみましょう。
まあ、結局いろいろ試したくなって購入してしまい、いつ使うんだっていうぐらい玄関にクリームが並んでしまうのが靴磨き好きの「あるある」かなと。
このご時世サラリーマンは何かと大変ですが、お気に入りの革靴をピカピカに磨いてがんばりましょう!
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