【乳化性クリームを徹底比較】革靴歴28年のサラリーマンが実際に磨いてみたリアルな感想

【乳化性クリームを徹底比較】革靴歴28年のサラリーマンが実際に磨いてみたリアルな感想
革靴初心者
革靴初心者

革靴をお手入れしたいけど、どんなクリームを買ったらいいんだろう・・・。

革靴に栄養や水分を補給し、いい感じにツヤを出してくれる乳化性クリーム。

革靴のお手入れに欠かせないクリームですが、様々なメーカーのものがあって、何を買ったらよいか迷ってしまいますよね。

  • いろんなメーカーのクリームがあるけど、特徴や違いは?
  • クリームを使用したリアルな感想が知りたい

この記事では、こんな悩みを解消します。

どんな靴クリームを買ったら良いか分からない方は、この記事を参考に選んでいただければと思います。

【この記事を書いた人】

みたらしとーさん
みたらしとーさん

革靴歴約25年の私が解説します。

  • 日本皮革製品メンテナンス協会『靴磨き知識アドバイザー』
  • サラリーマンの立場から仕事で履く革靴やお手入れのことなどを発信しています。プロフィールはこちら

乳化性クリームとは?(前提知識として)

いろんな種類の靴用クリーム

昔から「靴墨」とか言われている、革靴用のクリーム、いわゆる「靴クリーム」ですが、一言で靴クリームと言ってもいろんな用途や役割があります。

靴クリームの種類

革靴のお手入れに使う靴クリームには、主に3つの種類があり、それぞれ用途が違います。

クリームの種類主成分用途
乳化性クリームロウ
油分
水分
※バランスよく配合
靴の栄養補給、ツヤ出し
【靴磨きの定番】
デリケートクリームロウ
油分
水分
※水分が多め
乾燥した革を保湿
革を柔らかくする
【どんな革にも使える万能薬】
油性ワックスロウ
油分
光沢を出すことに特化
【靴のドレスアップに】

今回この記事で紹介するのは、栄養補給とツヤ出しを目的とする乳化性クリームです。

チェックポイント

乳化性クリームは、適度な水分補給と油分(栄養)を与えることができる革靴のお手入れには欠かせないクリームです。

乳化性クリームの成分は基本的に水分、油脂、ロウ、有機溶剤です。各メーカーによって配合比率が違い、それぞれ特徴があります。

乳化性クリームを選ぶポイント

  • 浸透性
  • 光沢(ツヤ感)
  • コストパフォーマンス

浸透性

油分や水分を補給するのに浸透性は重要です。

ツヤ感(光沢)

せっかく靴磨きをするなら、いい感じのツヤ感で仕上げたいですね。各メーカーによって光沢感も違います。

コストパフォーマンス

日常の靴磨き用のクリームなので、なるべくコスパの良いものを選びたいですよね。

おすすめの乳化性クリーム

いろんな種類の靴用クリーム-jpg

今回、解説する靴クリームはこちらです。

メーカー・商品名標準価格
(税込み)
容量色の種類生産国
M.モウブレイ
シュークリームジャー
990円50ml60種類イタリア
コロンブス
シルバーラインシュークリーム
880円55ml40種類日本
コロンブス
ブートブラックシュークリーム
1,100円55ml36 種類日本
サフィール
ビーズワックスファインクリーム
1,100円50ml70種類フランス
サフィールノワール
クレム1925
2,420円75ml16種類フランス

M.モウブレイ シュークリームジャー

シュークリーム(エムモウブレイシュークリームジャー
画像出典:R&D Co.,Ltd.

イギリスの王室御用達で、本場欧州の伝統的なレシピで作られたクリームで、まさに「ザ・乳化性クリーム」といった感じです。靴磨きには定番のクリームです。

シュークリーム(エムモウブレイシュークリームジャー
ポイント評価コメント
浸透性
(4.0 / 5.0)
細かい粒子の染料系(溶剤の成分が革に染み込んで補色タイプ)で、浸透性高い
ツヤ感
(3.0 / 5.0)
落ち着いた光沢で、自然なツヤ感
コスパ
(4.5 / 5.0)
千円未満で購入できお手頃
おすすめポイント
デメリット
  • シルキータッチでベトベトせず、革に塗りやすい
  • クセがなく初心者におすすめ
  • ツヤ感は弱いので、靴をピカピカに光らせたいという方には物足りない

撥水レザーを使用しているので、マットで光りにくいと言われているスコッチグレインの「シャインオアレイン」をM.モウブレイ シュークリームジャーで磨いてみました。

靴磨き語のシャインオアレイン

クセがないクリームで自然な感じに仕上げることができます。

コロンブス シルバーラインシュークリーム

ブートブラックシルバーライン(公式)
画像出典:コロンブスオンラインショップ

日本のシューケア用品メーカー「コロンブス」が、ビギナー向けのクリームとして販売しているクリームです。シルバーの蓋が目印で、靴の量販店などの店頭でもよく見かけます。

ブラウン靴クリーム
ポイント評価コメント
浸透性
(3.0 / 5.0)
顔料系(溶剤の成分を革の上にのせて着色)のため、革に乗せてジワッと浸透する感じ
ツヤ感
(3.0 / 5.0)
派手さはないですが、ほどよいツヤが出ます
コスパ
(5.0 / 5.0)
定価880円とお手頃
おすすめポイント
デメリット
  • お手頃な価格でバランスの取れたクリーム
  • 鉱物系のワックスを使ったクリームのため、溶剤の匂いがする
  • コレといった特徴はないかも

量販店とかでも販売されているので、初心者でも手軽に試すことができます。革靴を買ったばかりの靴磨き初心者にオススメのクリームです。

コロンブス ブートブラックシュークリーム

日本のシューケア用品メーカーである「コロンブス」の中でも最上級の「プレステージライン」にラインナップされているクリームです。

先ほど紹介したシルバーラインよりも着色力と光沢効果を向上させるワックスを配合しています。

日本の有名なシューメーカーであるスコッチグレインの靴のお手入れでも推奨されていて、スコッチグレインの店舗やオンラインストアでも販売されています。

コロンブスブートブラックと革靴-jpg
ポイント評価コメント
浸透性
(4.0 / 5.0)
顔料系(溶剤の成分を革の上にのせて着色)のため、革に乗せてジワッと浸透する感じ
ツヤ感
(4.0 / 5.0)
着色力と革にツヤを与える鉱物系のワックスが配合されているので、しっとりとしたツヤが出ます
コスパ
(4.0 / 5.0)
平均的な価格でコスパは十分
おすすめポイント
デメリット
  • 国産でバランスの取れたクリーム
  • 栄養補給もツヤ感も申し分なし
  • ブラックの瓶がかっこいい
  • 鉱物系のワックスを使ったクリームのため、溶剤の匂いが少しキツイかも(私は好きですけど…)

スコッチグレインの「シャインオアレイン」をブートブラックシュークリームで磨いてみました。

コロンブスブートブラックと革靴-jpg

しっとりとしたツヤ感で、個人的にはスコッチグレインの革靴と相性がよいと思います。

サフィール ビーズワックスファインクリーム

サフィールビーズワックスファインクリーム(公式)
画像出典:株式会社ルボウ http://saphir-jp.com/

ミツバチが巣を作る時に分泌するろうを主成分とするビーズワックスやアーモンドオイルが配合されていて、保革、ツヤ出しに優れています。

サフィールビーズワックス-jpg
ポイント評価コメント
浸透性
(4.0 / 5.0)
顔料系(溶剤の成分を革の上にのせて着色)のため革に乗せる感じ
油分の配合率が高く、栄養補給は十分
ツヤ感
(4.0 / 5.0)
ビーズワックスやアーモンドオイルなど油分の配合率が高く、ツヤが出やすい
コスパ
(4.0 / 5.0)
平均的な価格でコスパは十分
おすすめポイント
デメリット
  • 色の種類が70種類もあり、どんな色の靴にも対応可能
  • 油分が多いせいか少しベタつく
  • デメリットではないが、匂いが特徴的なので好みが分かれる

税込み千円ちょっとでコスパも良く、クリームの色の種類もかなり多いので、いろんな色の靴を持っている方にオススメです。

サフィールノワール クレム1925

サフィールノワールクレム1925(公式)
画像出典:株式会社ルボウ http://saphir-jp.com/

サフィールの上位ブランドであるサフィールノワールから販売されている靴クリームがクレム1925です。ビーズワックス、カルナバワックス、シアバターを主成分とするサフィールの最高級クリームです。

厳密にいうとクレム1925は油性クリームですが、用途的には乳化性クリームと同様なのでここで紹介します。

とりあえず、四角い瓶がおしゃれでカッコいいです。玄関に置いておくと映えます。

【ちょっと補足】

乳化性クリームと油性クリームの違い
乳化性クリームが、油分と水分の混合(だから「乳化性」といいます)なのに対し、油性クリームには水分が配合されていません。通常は油性ワックスのようなツヤ出し特化になりますが、クレム1925の場合は乳化性クリーム同様に栄養や革にしなやかさを与えることができるクリームです。
サフィールノワールクレム1925-jpg
ポイント評価コメント
浸透性
(5.0 / 5.0)
成分の粒子がかなり細かく、油性なのに革にめちゃくちゃ浸透する
ツヤ感
(5.0 / 5.0)
油性クリームということもあり、ツヤ感はハンパない
(「ツヤ感」より「艶感」と表現した方がよいかも)
コスパ
(2.0 / 5.0)
価格は高め
おすすめポイント
デメリット
  • シアバター配合で浸透力が高く、栄養補給も十分
  • 磨いた後の光沢感はダントツ
  • 高級クリームに分類されるため価格は高め
  • 光沢がスゴイので、自然な感じに仕上げたい場合には不向き

スコッチグレインの「シャインオアレイン」をサフィールノワール クレム1925で磨いてみました。

マットな質感で有名ですが、クレム1925で磨くとツヤツヤです。ワックスで光らせたみたいですが、革はしっとりと柔らかい感じになります。

サフィールノワールクレム1925で磨いた靴-jpg

専門家も市販の靴クリームの中では絶対に外せないアイテムと言っているクリームです。最終的にはコレを持っていれば間違いないです。

乳化性クリームの使い方(靴磨き方法)

靴磨き語のシャインオアレイン

乳化性クリームを購入したらさっそく靴を磨いてみましょう。

シャインオアレイン2776BL

まず、靴のシューレース(靴紐)と取ります。

革靴をブラッシング

馬毛ブラシでホコリを払います。
※馬毛ブラシがない方は、濡らした布を固く絞り、ホコリを拭き取りましょう。

靴クリーム(黒)

リムーバー(汚れ落とし)がある場合は、リムーバーを使って古いクリームを除去します。

乳化性クリームには溶剤が入っていて、新しいクリームが古いクリームを取り除いてくれるのでなくても大丈夫です。

ここから主役の登場です。

乳化性クリームを米粒1〜2つ分ぐらいの量を指にとって、塗履きジワを中心に入念に塗り込んでください。その後、靴全体にも塗り込みます。

革靴に靴クリームを塗り込む
マッサージする感じで円を描くように塗り込みます。

全体にクリームを塗り込んだら、少し置いて(10分〜15分くらい)豚毛ブラシでブラッシングして、クリームを靴になじませます(少し強めでOK)。

豚毛ブラシでブラッシング-jpg

豚毛ブラシは、馬毛ブラシより固い毛なので、靴にクリームを押し込むことができます。乳化性クリームを均等に広げて、余分なクリームを取り除いてくれます。

その後、いらないストッキングや布切れを使って余分なクリームを拭き取ります。
※豚毛ブラシがない場合は、この作業だけでも大丈夫です。

靴を乾拭き-jpg

いい感じに光沢が出ます。ツヤツヤですね!

靴磨き後

【あわせて読みたい】

初心者が揃えておきたい靴磨きの道具はこちらを参考にしてください↓

靴磨きは手が汚れます。手の汚れの落とし方はこちらをご覧ください↓

乳化性クリームを買うなら一緒に購入したいモノ

せっかく靴磨き用に乳化性クリームを購入するなら、以下のアイテムも一緒に購入しませんか?

靴磨きの道具としては一般的なものです。

追加アイテム用途
リムーバー(シュークリーナー)靴の汚れ落とし
ペネトレイトブラシクリーム塗布用ブラシ
豚毛ブラシクリームを革に馴染ませる用ブラシ

リムーバー(シュークリーナー)

リムーバーは、靴の汚れや古いクリームを落とすクリーナーです。

乳化性クリームには溶剤が入っているので、新しいクリームが古いクリームを落としてくれますが、やはりしっかり汚れを落とすならリムーバーが必要です。

布にクリーナーを付けて靴全体を拭き上げます↓

長く履いていると、やはり汚れや油分が革に蓄積していきますので、数ヶ月に1回は、女性の化粧落としのようにクリーナーで靴をスッピンにしてあげましょう。

定期的にスッピンにすることで、靴の負担を減らします。

革靴の汚れ落としの後
クリームを落としてマットな感じになりました。

水性で革にやさしい汚れ落としのモウブレイのステインリムーバーがおすすめですが、劇的に汚れを落としたいなら、サフィールのレノマットリムーバーがスゴイです。

ペネトレイトブラシ

乳化性クリームを塗布用のブラシです。

私は、クリームは手で塗ることをおすすめしますが(体温でクリームが浸透しやすくなります)、手が汚れるのがイヤな方は、このブラシは便利です。

ペネトレイトブラシ
色が混ざらないように靴クリームの色ごとに持っておいたほうがよいです。

コバ周りなど、細かいところにもクリームを塗布できるので持っていると便利です。

ペネトレイトブラシでクリームを塗布-jpg

豚毛ブラシ

クリームを靴になじませるためのブラシです。

馬毛ブラシより固くて靴にクリームを押し込むことができ、乳化性クリームを均等に広げて、余分なクリームを取り除いてくれます。

靴クリームを塗ったあとにブラッシングすると革にクリームが馴染んで、光沢も出ます。

豚毛ブラシでブラッシング-jpg
クリームが混ざらないようにクリームの色ごとに持っておきましょう。

豚毛ブラシでブラッシング後です。これだけでもクリームが馴染んで光沢も出ます。

豚毛ブラシでブラッシング後

豚毛ブラシは、使えば使うほどクリームが毛に浸透して、いわゆる「ブラシが育った」状態と言われるようになります。

ブラシが育つと、クリームを塗らなくても軽くブラッシングするだけでツヤツヤになります。

値段の安い豚毛ブラシは毛が抜けて大変と言われますが、近藤の豚毛ブラシは毛が抜けず丈夫です。余裕がある方は、紗乃織(さのはた)の豚毛ブラシが間違いないですね。

乳化性クリームを上手に使いたい方へオススメの本

靴磨きの本

せっかく乳化性クリームを購入したので、プロの靴磨きを参考にしましょう!

靴磨きの本

日本の有名なシューシャイナーの長谷川裕也さんが書いた「靴磨きの本」、「続・靴磨きの本」がおすすめです。

プロのテクニックも勉強になりますが、初心者にもわかりやすく写真付きで書かれています。

靴磨きの本を開いている

本の綴じ方が独特で、見たいページを開いたまま置くことができるので、本を見ながら靴を磨くことができます。

続編として「続・靴磨きの本」も出ています。

2冊あればベストですが、どちらかをという場合は、「続」の方がおすすめです。

最高級靴読本(究極メンテナンス編)

靴磨きやシューケアのプロの方が、オススメの革靴のお手入れ道具の話をしています。私はこの本に出てくるような高級靴は持っていませんが、革靴のお手入れ方法などすごく勉強になります。

乳化性クリームを徹底比較(まとめ)

おすすめの乳化性クリームを実際の使用感とともに紹介させていただきました。

こういったら身も蓋もないですが、今回ご紹介したクリームは、定番中の定番なので、結局、何を買ってもOKです。

全商品、栄養補給もお手入れしたあとの光沢感も申し分ないので、何を重視するか自分の好みのものを選んで使ってみましょう。

まあ、結局いろいろ試したくなって、定番クリームは全部揃えてしまい、いつ使うんだっていうぐらい玄関に靴クリームが並んでしまうのが、靴磨き好きの「あるある」ですが…(笑)

このご時世、サラリーマンは大変ですが、お気に入りの革靴をピカピカに磨いて、お仕事がんばりましょう。

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