いろいろ悩んでようやく革靴を購入。ウキウキな気分で箱から靴を取り出して、新品の革靴を履いてさあ外へ出発!
ちょっと待ってください!
購入したばかりの革靴を何もせず、いきなり履いて歩き出すと自分の足だけでなく革靴自体も痛めてしまうかもしれませんよ。
この記事では、購入したばかりの新品革靴にしたほうが良いお手入れ(プレメンテナンス)について解説します。
せっかく購入した革靴を末永く履いていきたい方、革靴の履き始めは固くて足が痛いと思っている方はぜひご覧ください。
【この記事を書いた人】
革靴歴約30年のサラリーマンが解説します。
- 『靴磨き知識アドバイザー』
- 革靴は仕事道具。「ガッツリ履いて、しっかりお手入れ」がモットーです。
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プレメンテナンスとは
プレメンテンナンスとは、その名のとおり履き下ろし前の事前メンテナンスのことです。新品の革靴をお手入れして水分や栄養分を補給します。
プレメンテナンスといっても何か特別なことをするわけではなく、通常のお手入れのように汚れを落としてクリームを入れてあげるだけです。
革を柔らかくして、足への履き馴染みを良くすることで靴ずれも防げますよ。
なぜプレメンテナンスが必要?
プレメンテナンスを行う理由は以下の2つからです。
- 革への負担を軽減して長持ちさせる
- 新品の硬い革に柔軟性を与え、足馴染みを良くする(靴ずれを防止)
詳しく解説します。
革への負担を軽減して長持ちさせる
新品の革靴でも、自分に買われてくるまで「どこ」で「どのように」保管されていたかは分かりません。
工場で作られてすぐであれば良いですが、店頭や倉庫にずっと置かれていた靴はお手入れされることもなく、相当乾燥が進んでいます。
乾燥した革は柔軟性が失われて固くなっているので、いきなり履いて歩くということは、寝起きに準備運動なしでダッシュするようなものです。
そんなことをしたら、すぐにケガをしてしまいますよね。
プレメンテンナンスは、その後の靴の寿命にも影響してきますので、革靴を大事に履いていきたいと思っている方は絶対にしておいた方が良いです。
足馴染みを良くする(靴ずれを防止)
買ったばかりの革靴のイメージって、痛くて靴ずれになるイメージがありませんか?
プレメンテナンスを行うことで革靴に柔軟性を与え、履き心地をよくすることができます。
特に靴のライニング(靴の内側)にデリケートクリームを入れると、靴ずれを防げるのでおすすめです。
プレメンテンナンスをするかしないかで、最初の履き心地が全然違いますよ。
私は、プレメンテナンスをするようにしてから靴ずれになったことがありません。
プレメンテナンスの方法
おすすめのプレメンテナンス方法は以下の4工程です。
プレメンテナンスってこんなにやることあるの……めんどくさ
初心者の方に全部の作業は難しいと思います。そもそも、いきなりこんなケア用品も揃えられないですよね。
そんなときは、②の「デリケートクリームで保湿」これだけやりましょう。
デリケートクリームで保湿するだけでも、プレメンテナンスとしては十分です。
それでは、順番に解説します。
①クリーナー(リムーバー)で汚れを落とす
新品の革靴なのにと思うかもしれませんが、靴が作られてから自分の手元に届くまでにどのぐらい経っているか分かりません。
靴を作る工程では最後に靴クリームで仕上げをしていることが多いので、保管期間が長いほど古いクリームが付いていることになります。
古いクリームをクリーナーで落としましょう。
最初は革にやさしいM.モゥブレィのステインリムーバーがおすすめです。
クリーナーを染み込ませた布でササッと2〜3周拭き上げます。
【おすすめのクリーナー】
初心者の方は水性で革にやさしいM.モゥブレィのステインリムーバーがおすすめです。
【あわせて読みたい】
>>【迷ったらコレ!】おすすめの革靴用クリーナーを用途別に徹底解説
②デリケートクリームで保湿【重要!】
デリケートクリームは、革靴に潤いを与えるための水分量が多いクリームです。
プレメンテナンスの作業はいろいろありますが、とりあえずデリケートクリームでの保湿だけはしておくことをおすすめします。
ライニング(靴の内側)へ塗る
靴の内側の革を柔らかく馴染ませて、靴ずれなど足の痛みを防ぎます。
おすすめ(定番)はM.モゥブレィのデリケートクリームです。
まずは靴ずれが起こりやすい、かかと部分に入念に塗り込みます。
サイド部分にも塗布。
新品のうちは足の甲の部分も結構痛くなるので、タンの裏にも入念に塗り込みましょう。
履く前の1回だけでなく、革が馴染むまで何回も同じ作業を行うと良いです。
私は履いていて革靴が硬いなと思うときは、すぐに靴の中にデリケートクリームを塗り込みます。劇的に履き心地が変わりますよ。
手を汚したくない方はスプレータイプもおすすめです。
アッパー(甲革)へも塗る
乾燥したアッパーにも塗って水分補給を行います。
革が乾燥していると、靴がクリームを飲むようにどんどん吸い込まれていくのが分かります。
【おすすめのデリケートクリーム】
おすすめ(定番)はM.モゥブレィのデリケートクリームです。まずはこれを持っておけば間違いないと思います。
スプレータイプもおすすめです。
【あわせて読みたい】
M.モゥブレィ デリケートクリームのレビュー記事です。
>>【ぷるんと革に潤い】M.モゥブレィ デリケートクリームをレビュー
サフィールノワール スペシャルナッパデリケートクリームのレビュー記事です。
>>【しっとり感がスゴい!】サフィールノワール スペシャルナッパデリケートクリームをレビュー
スプレータイプのデリケートクリームのレビュー記事です。
>>【レザーケアの救世主?】M.モゥブレィ デリケートスプレーをレビュー
③レーダーオイルでアッパー(甲革)に柔軟性を与える
②のデリケートクリームでの保湿で十分ですが、もっと早く革を馴染ませて履き心地を良くしたい方は、タピールのレーダーオイルがおすすめです。
「タピール」は、ドイツの皮革製品のケア用品ブランドで、自然素材にこだわって作られた皮革用クリーナーがレーダーオイルです。
本来の用途はクリーナーですが、ひまし油やなたね油など天然成分を使用していて、栄養補給や革に柔軟性を与えることにも使うことができます。
これ1本で、汚れ落としから栄養補給までできる万能ケア用品です。
布にレーダーオイルを染み込ませます。
アッパー(甲革)全体に塗っていきます。
塗りすぎると油分過多の状態になってしまうので、1〜2周ぐらい塗ったら終わりにしてください。
オイルがどんどん革に染み込んでいくので、塗りすぎは注意が必要です。
レーダーオイルを塗ったら、1日ぐらい置いて全体に浸透させましょう。
革がしっとりして、もちもちした質感になります。
【あわせて読みたい】
レーダーオイルの詳細はこちらの記事を参考にしてみてください。
>>タピールレーダーオイルをレビュー【天然素材のやさしいオイルを解説】
乳化性クリームで栄養補給とツヤ出し
通常の靴磨きと同様に乳化性クリームを塗って栄養補給とツヤを出します。
少量を指にとって靴に塗布します。
全体にクリームを塗布したら、豚毛ブラシでブラッシングしてクリームを馴染ませます。
布で乾拭きをして余分なクリームを拭き取ります。
ツヤツヤに仕上がりました。
油性ワックスでつま先を鏡面磨きするのも、おすすめです。
プレメンテナンス終了。お疲れさまでした。
さあ、いよいよ履きおろしです。外へGO!
【おすすめの乳化性クリーム】
高級感ある感じに光らせたいという方は、サフィールのクレム1925がおすすめです。
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プレメンテナンスで靴ずれを防止|まとめ
この記事では新品の革靴を購入したら、ぜひやっておきたいプレメンテナンスについて解説しました。
いろいろ悩んで購入した革靴をすぐ履きたい気持ちは分かりますが、グッとこらえて革靴に水分と油分を与えて革を馴染ませましょう。これだけで靴の寿命が違ってきます。
それに、固い革による靴ずれも防ぐことができますよ。
買ったばかりの革靴をいきなり履くのは、靴にも足にも悪いです。
せっかく購入した革靴ですので、末永く履いていけるようお手入れしていきましょう。
【おすすめのプレメンテナンス用ケア用品】
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これだけで十分。簡単靴磨きの方法はこちらを参考にしてみてください。
しっかり靴磨きをしたい方はこちらを参考にしてみてください。