革靴のお手入れに欠かせない靴磨き用ブラシ。履き終わりにホコリを落としたり、靴クリームを馴染ませたり様々な場面で重宝します。
ただ、ひと言で靴磨き用ブラシといっても、様々な素材(毛の種類)や形状があって、何をどう揃えたらよいか迷ってしまいますよね。
- 馬毛とか豚毛とかいろんな種類があるみたいだけど、何を揃えればいいの?
- ブラシの種類ごとの役割や使い方を知りたい
- で、結局どれを買ったらいいの?おすすめを教えて
この記事ではそんな悩みを解決します。
靴磨き用のブラシを揃えたいと思っていて、何を購入したらよいかお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
ブラシの用途や使い方は知っているので、先におすすめのブラシを見たいという方は、こちらからジャンプできます。
✔おすすめの靴磨き用ブラシ
【この記事を書いた人】
革靴歴約30年のサラリーマンが解説します。
- 『靴磨き知識アドバイザー』
- 革靴は仕事道具。「ガッツリ履いて、しっかりお手入れ」がモットーです。
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靴磨き用ブラシの種類と用途
靴磨き用ブラシの主な種類と用途は以下の3つです。
ブラシの種類(素材) | 役割 | 重要度 |
---|---|---|
馬毛ブラシ | ホコリや汚れを落とす | (5.0 / 5.0) |
豚毛ブラシ | 靴クリームを馴染ませる | (3.0 / 5.0) |
山羊毛ブラシ | 靴磨きを仕上げる | (2.0 / 5.0) |
以下で詳しく解説します。
馬毛ブラシでホコリや汚れを落とす
✔重要度 ⭐⭐⭐⭐⭐
革靴を購入したら、まずは何よりも持っておきたいお手入れ道具が馬毛ブラシです。
馬毛ブラシはほどよい弾力があって、革靴に付いたホコリや軽い汚れを落とすことができます。
1日履いた革靴にはホコリや汚れが付着しますが、それを放っておくと革の中の油分などが吸い取られ乾燥が進みます。
乾燥した革靴は、ひび割れなどのトラブルが生じやすくなりますので、1日の履き終わりに必ず馬毛ブラシでホコリを落としましょう。
ブラッシング効果でツヤも復活しますよ。
軽いすりキズならブラッシングで取ることができます。
シャカシャカと
ブラッシングで取れました!
馬毛ブラシは必ず持っておきたいブラシです。
豚毛ブラシで靴クリームを馴染ませる
✔重要度 ⭐⭐⭐☆☆
豚毛ブラシは靴クリームを塗り込んだあとに、クリームを靴になじませるための道具です。
豚毛は馬毛よりコシが強く表面に付いたクリームを靴に押し込んで馴染ませる役割と余分なクリームを取り除く役割があります。
豚毛ブラシは使えば使うほどクリームがブラシに浸透して、いわゆる「ブラシが育つ」といわれる状態になります。
「ブラシが育つ」とクリームを使わなくても、ブラッシングだけでツヤを出すことができるようになりますよ。
山羊毛ブラシで靴磨きを仕上げる
✔重要度 ⭐⭐☆☆☆
山羊毛ブラシは馬毛ブラシや豚毛ブラシと比べて、かなり柔らかい素材です。
鏡面磨きをしたあとのワックスを塗った部分と塗ってない部分の境目をぼかすなど、靴磨きの仕上げに使います。
ただ、革靴上級者のためのブラシで、普段仕事で使う革靴にはあまり必要ないのかなというのが正直なところです……。
【ちょっと補足】
- 鏡面磨きとは?
- つま先などを油性ワックスを使って光らせる靴磨きの仕上げの工程。ハイシャインともいいます。
いつも参考にさせていただいている靴磨き芸人奥野さんのYou Tube動画です。
山羊毛ブラシの育て方について解説されています。
靴磨き用ブラシの選び方
ブラシの選び方について以下で詳しく説明します。
まずは馬毛ブラシから
3種類のブラシすべて揃えられるとよいですが、まずはどれか一つとするなら、馬毛ブラシです。
馬毛ブラシは靴を履いたら毎回使いますが、豚毛ブラシと山羊毛ブラシは靴磨きのときだけですので使用頻度がまったく違います。
馬毛ブラシで普段からお手入れしておくことで、革靴のトラブルを未然に防ぐことができますよ。
最初は安価なものでOK(靴を定期的にお手入れすることが大事)
靴磨き用ブラシの価格は千円ぐらいから数万円のものまでピンきりですが、主に作りが手植えなのか、機械式なのかによって値段が違ってきます。
ブラシの毛が手植えだと抜け毛も少なくて耐久性も高いため高価になり、反対に機械式だと安価ですが抜け毛も多く耐久性は劣ります。
仕事用の普段遣いの革靴であれば、まずは安価なものから使ってみて物足りなくなってきたら良いものを揃える感じで問題ないです。
抜け毛の問題も使っているうちに落ち着くので、そこまで問題はありません。
大事なのはブラシを使って、定期的にしっかりお手入れをすることです。
大きめサイズを選ぶ
ブラシは大きい方が使いやすいです。
持ちやすくて滑りにくく、靴に触れる面が多いためブラッシングのストロークが少なくて済みます。
靴磨きセットに入っているような小さいブラシは収納や持ち運びには便利ですが、手が靴に当たったりするので普段使いには向きません。
靴磨き用のブラシは、できるだけ大きいサイズで毛も長いものを選ぶのがオススメです。
おすすめの靴磨き用ブラシを素材別に紹介
おすすめの靴磨き用のブラシを素材別に紹介していきます。
【靴磨き用ブラシ一覧】
見たいブラシをクリックするとジャンプします。
馬毛ブラシのおすすめ
ダナック(近藤) ミドルホースヘアブラシ
定価 | 1,100円(税込み) |
大きさ | 158×44mm |
毛の長さ | 24mm |
原産国 | ドイツ |
ダナックはあまり有名なブランドではないですが、お手頃な価格のシューケア用品を販売していて、個人的に重宝しています。
安価ですが毛も抜けにくく使いやすいブラシです。
M.モゥブレィ プロホースブラシ
定価 | 1,320円(税込み) |
大きさ | 183×50mm |
毛の長さ | 25mm |
原産国 | ドイツ |
シューケアブランドとしておなじみのM.モゥブレィの馬毛ブラシです。ほどよい大きさで、持ちやすさとコンパクトさのバランスがよいブラシです。
コロニル 馬毛ブラシ
定価 | 2,200円(税込み) |
大きさ | 170×54mm |
毛の長さ | 27mm |
原産国 | 台湾(ドイツ) |
コロニルはドイツのシューケアブランドです。
持ち手はほどよい厚みがあって、くぼみもあるので持ちやすく、毛の長さもほどほどあるのでブラッシングしやすい作りになっています。
コロンブス ジャーマンブラシ1(馬毛ブラシ)
定価 | 3,300円(税込み) |
大きさ | 205×64mm |
毛の長さ | 40mm |
原産国 | ドイツ |
コロンブスジャーマンブラシ1は長さが20cm、毛の長さ4cmと一般的な馬毛ブラシと比べてかなり大きいサイズです。
靴に当たる面が広くブラッシングのストロークが少なく済むので、簡単に汚れを落とすことができます。
【あわせて読みたい】
コロンブス ジャーマンブラシ1のレビュー記事です。
>>【大は小を兼ねる?】コロンブス ジャーマンブラシ1をレビュー
コロンブス ブートブラック 江戸屋クリーニングブラシ(馬毛)
定価 | 9,900円(税込み) |
大きさ | 200×63mm |
毛の長さ | 23mm |
原産国 | 日本 |
江戸時代から続く江戸刷毛の専門店「江戸屋」製造による、靴用馬毛ブラシです。
毛足が短く馬毛ブラシの中でもコシの強い仕様なので、軽いブラッシングでしっかりホコリを落とせます。
豚毛ブラシのおすすめ
ダナック(近藤) ワイドブリストルブラシ
定価 | 990円 |
大きさ | 178×46mm |
毛の長さ | 13mm |
原産国 | ドイツ |
安価な豚毛ブラシは毛の抜けがすごいですが、ダナックのブラシはお手頃価格なのに毛が抜けにくいです。
毛が短い作りですが、その分コシが強くてクリームを馴染ませやすいメリットがあります。
【あわせて読みたい】
ダナック(近藤) ワイドブリストルブラシのレビュー記事です。気になる方は参考にしてみてください。
>>DONOK ワイドブリストルブラシ(豚毛ブラシ)をレビュー
コロンブス 豚毛ブラシ
定価 | 2,970円 |
大きさ | 170×50mm |
毛の長さ | 23mm |
原産国 | 日本 |
コロンブスのメイドインジャパンの豚毛ブラシです。毛の長さがクリームをなじませるのにちょうどよい長さに調整されています。
持ちやすくブラッシングしやすい作りです。
【あわせて読みたい】
コロンブス豚毛ブラシのレビュー記事です。気になる方は参考にしてみてください。
>>コロンブスブラシ(豚毛)バランスの取れた使いやすい豚毛ブラシをレビュー
M.モゥブレィ SANOHATAブラシ豚毛
定価 | 4,950円 |
大きさ | 178×48mm |
毛の長さ | 23mm |
原産国 | 日本 |
M.モゥブレィで販売されている日本製の豚毛ブラシです。持ち手がカーブと溝によって握りやすく、ブラッシングしやすいつくりになっています。
毛質、抜けづらさともに申し分なく末永く使えるブラシです。
山羊毛ブラシのおすすめ
ダナック(近藤) ゴートヘアブラシ
定価 | 2,200円 |
大きさ | 135×41mm |
毛の長さ | 24mm |
原産国 | ドイツ |
山羊毛ブラシがリーズナブルに購入できます。専用のケース入りなので、ギフトにもオススメです。
コロニル 1909ファインポリッシングブラシ
定価 | 2,200円 |
大きさ | 149mm×48mm |
毛の長さ | 20mm |
原産国 | ドイツ |
柔らかく密度の高い山羊毛ブラシです。
コロニルの高品質な山羊毛ブラシなのにリーズナブルな価格で販売されています。
サフィールノワール フィニッシャーブラシ
定価 | 16,500円(税込み) |
大きさ | 129×47mm |
毛の長さ | 35mm |
原産国 | 日本 |
サフィールノワールの高級山羊毛ブラシです。
毛量が多く高密度でハリとコシがしっかりあってブラッシングしやすい仕様となっています。
経済産業大臣指定伝統工芸品に指定されていて、化粧筆にも使われる広島県安芸郡熊野町の「熊野筆」の技法が使われています。
3つの用途以外の便利なブラシ
ここまで3つの用途のブラシをご紹介してきましたが、そのほかにも靴磨きやお手入れで使うのに便利なブラシがあります。
必要に応じて揃えましょう。
化繊毛ブラシ
化繊毛ブラシは化繊ということで素材はナイロンです。豚毛ブラシのようなコシがあって少し硬めのブラシなので、靴クリームを馴染ませるために使います。
泥汚れをしっかり落とすことができるので、アウトドア用の靴やブーツにも最適です。
豚毛ブラシより安価というメリットがありますが、耐久性が劣るため、すぐに毛先が広がってしまうデメリットがあります。
クリーム塗布用のペネトレイトブラシ
ペネトレイトブラシは、靴にクリームを塗布するためのブラシです。
私はいつも手でクリームを塗っていますが、クリームで手が汚れるのがイヤな方はこのブラシをおすすめします。
クリームの色ごとにブラシを使い分けます。
靴のコバ(甲革と靴底の縫い目の部分)にクリームを塗るのにも便利です。
ワイヤーブラシ・ゴムブラシ
ワイヤーブラシ・ゴムブラシは、スエードなどの起毛している革のお手入れに使います。
どちらも固く摩擦起毛革を擦って汚れを落とします。
落としにくい汚れが付着した場合は、ゴムタイプのブラシもおすすめです。
靴磨き用ブラシの気になる疑問
靴磨き用のブラシを揃えるに当たって、気になる疑問にお答えします。
Q.ブラシは全種類揃える必要があるの?
- まずは「馬毛ブラシ」があれば十分です。その後靴磨きに慣れてきたら「豚毛ブラシ」を揃えましょう。正直、山羊毛ブラシは上級者向けなので必要ないと思います。
Q.ブラシは使い分ける必要があるの?
- 毛の種類によって硬さや質感が違うので、お手入れの用途によって使い分ける必要があります。
・馬毛ブラシ:ホコリや汚れを落とす
・豚毛ブラシ:靴クリームを馴染ませる
・山羊毛ブラシ:靴磨きを仕上げる
・ペネトレイトブラシ:靴にクリームを塗布
・スエードブラシ:スエード靴の毛並みを揃える
Q.靴によって色分けは必要?
- 色の違うクリームが付着してしまうおそれがあるので、「豚毛ブラシ」と「ペネトレイトブラシ」は靴の色ごとに使い分けましょう。
Q.靴磨きセットのブラシでも問題ない?
- 靴磨きセットに付いている小さいブラシは応急的に使う分には問題ないですが、なるべく毛が長くて大きいサイズのブラシを購入するのをおすすめします。特に馬毛ブラシは大きい方が使いやすいです。
まとめ|靴磨き用のブラシは用途によって使い分けが必要
この記事では革靴のお手入れに必須の靴磨き用ブラシの種類や用途を解説し、素材ごとのおすすめのブラシを紹介しました。
靴磨き用のブラシの主な種類と用途は以下の3つです。
ブラシの種類(素材) | 役割 | 重要度 |
---|---|---|
馬毛ブラシ | ホコリや汚れを落とす | (5.0 / 5.0) |
豚毛ブラシ | 靴クリームを馴染ませる | (3.0 / 5.0) |
山羊毛ブラシ | 靴磨きを仕上げる | (2.0 / 5.0) |
その中でも特に馬毛ブラシは、革靴のお手入れに欠かせないブラシです。
毎回、革靴の履き終わりに馬毛ブラシでブラッシングをすることで、革靴の寿命を延ばすことができます。
せっかく購入した革靴ですので、靴磨き用ブラシでしっかりお手入れして末永く履いていきたいですね。
【あわせて読みたい】
この記事で紹介している馬毛ブラシ「コロンブス ジャーマンブラシ1」のレビュー記事です。
この記事で紹介している豚毛ブラシ「DONOK ワイドブリストルブラシ」のレビュー記事です。
革靴のお手入れ方法は以下の記事を参考にしてみてください。
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