革靴を履いていると、なんか無性に茶色の革靴を履いてみたくなることがないですか?
オシャレな方のSNSなどを見ると、明るめの茶靴がエイジングも含めてカッコよく見えるんですよね。
例えば……
画像引用:革靴ジャーナル.
かっこいいですよね。
でも、気をつけてください。茶靴に慣れていないのに(しかも仕事でしか革靴を履かないおじさんが)その気になって茶靴を購入すると、茶靴の難しさを痛感することになります。
はい、、、私です。
この記事は、明るい茶靴を買って失敗し、なんとか仕事に履いていけるように靴クリームを使って濃くできないか試行錯誤してみた話です。
【結論】
靴クリームだけでも濃くなります。
ただ、即効性はないので、ある程度、根気よく塗っていく必要があります。
茶色の革靴を買ったけど、仕事の靴としては浮いてしまうというお悩みをお持ちの方は、参考にしていただければと思います。
✔動画でも解説しています。
【この記事を書いた人】
革靴歴約30年のサラリーマンが解説します。
- 『靴磨き知識アドバイザー』
- 革靴は仕事道具。「ガッツリ履いて、しっかりお手入れ」がモットーです。
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茶色の革靴を買って失敗した話
ここから少し、おじさんが茶靴を買って失敗した話が続きますので、「靴を濃くする方法」まで読み飛ばしたい方はこちらをクリックしてください↓
仕事用としては初めて茶色の革靴を購入
サラリーマンが仕事で履く革靴は、基本的に黒になると思います。
でも、革靴を履いていると茶色の靴が無性に履きたくなることがあります。いわゆる「黒飽きた茶靴履きたい病」です。
私はサラリーマン生活約25年、ずっと仕事で革靴を履いてきましたが、営業職が長いこともあり靴の色は基本的に黒でした。
それが、転職して事務系の仕事になり余裕も出てきて、ついに「黒飽きた茶靴履きたい病」を発症してしまいます……。
そんなときに発見したのが、スコッチグレインのアウトレットの茶靴でした。
購入した靴がこちら
ブラウンのパンチドキャップトゥ。おしゃれなレザーソールです。
同じ型でダークブラウンもあったのですが、こっちの方がすごく良く見えたので思い切って、明るいブラウンの方を購入しました。
【あわせて読みたい】
≫【レビュー】スコッチグレインアウトレットで購入したブラウンのパンチドキャップトゥ
仕事用で茶色の革靴は難しい
明るい茶色の靴はスーツを選びます。濃いめのスーツに履くと浮いてしまいます。
私も何年も革靴を履いているので、茶色の靴を選ぶ際はなるべく濃い目の色にした方がいいということは知識としては知っていました。
しかし、如何せんファッションセンスゼロのおっさんです。そもそも何で合わせるのが難しいのか分かっていません。
しかも、オシャレなSNSを見てその気になっています。
「チャイロ アワセニクイ ??」
購入後いつもどおり、プレメンテナンスをして、この靴のために買ったブートブラックの靴クリームでピカピカにしました。
履きおろし当日、ウキウキで外に出たところ、私は思いました。
「茶色!!」
茶色の靴なんだから当たり前だろと言われそうですが、主張がスゴい。
ウキウキで外に出たら、靴の色が浮き浮きでした(全然笑えない……)
明るい茶色が合わせにくいとはこのことか(汗)
そもそも濃い色のスーツしかないのに、なぜ明るいブラウンを選んだのだろう……。しばらく自問自答を繰り返す私。
そういえば、注文ポチっとするとき晩酌してたっけな。酔ってるときにネットショッピングしちゃダメだよ……。
いいえ、靴自体は全然悪くないのです。
サイズ感もバッチリだし、レザーソールの履き心地も最高なので、色さえもう少し濃ければ、ヘビーローテーション間違いなしでした。
よし、せっかく買った靴だ。なんとか普通に仕事で履けるよう試行錯誤してみようと決意したのでした。
茶色の革靴を濃くする方法
今回、茶色の革靴を濃くしようとやってみたことは以下です。
- 靴の色より濃いダークブラウンの靴クリームを使う
- 染料系と顔料系のクリームを重ね塗りしてみる
- ヤケになって黒の靴クリームを塗り込む
- 黒のワックスでつま先をアンティーク仕上げにする
一番よい方法としては、革用の染料を使っての染め替えになりますが、そのためには専用の染料や塗料が必要になります。
それに強力な溶剤で革の表面のコーティングなどを除去する必要があるので、素人にはハードルが高いです。
しかも失敗したら取り返しがつかないですし……。
そこで、まずは普段使っている靴クリームを使って濃くできないかやってみることにしました。
ダークブラウンの靴クリームを使う
まず、靴の色をダークブラウンにしたいので、ダークブラウンの靴クリームを塗ってみました。
「M.モゥブレィ シュークリームジャー」のダークブラウンです。
靴クリームには染料系と顔料系があります。
染料系 | 溶剤の成分が革に染み込んで補色 |
顔料系 | 溶剤の成分を革の上にのせて着色 |
M.モゥブレィ シュークリームジャーは染料系のクリームです。革に浸透して着色してくれることを期待して塗ってみました。
茶色の靴にクリームを塗る場合、シミにならないように靴の色より明るめの色のクリームを使うのがセオリーです。
そのセオリーに反して濃いめのクリームを塗るので、濃いクリームがシミにならないように注意しながら、恐る恐る塗っていきます。
結果、買ったばかりで靴クリームが革に馴染みにくいということもあるかもしれませんが、かすかに茶色が濃くなったかなと言う程度で、大きな変化はありません。
少しずつ、さりげなく濃くしていきたい場合は、染料系のM.モゥブレィ シュークリームジャーはよいかもしれませんが、最初から劇的な着色はできません(当たり前)。
染料系の靴クリームのM.モゥブレィ シュークリームジャー↓
【あわせて読みたい】
>>M.モゥブレィ シュークリームジャーをレビュー【自然なツヤ感!】
染料系と顔料系の靴クリームを重ね塗りしてみる
1か月に1回程度、通常のお手入れの頻度でダークブラウンのクリームを塗り込むということを3か月程度行いましたが、あまり変化がなかったため、種類の違うクリームを2度塗りしてみることにしました。
まず、染料系のM.モゥブレィ シュークリームジャー(ダークブラウン)をいつもどおり塗り込みます。
さらに今度は顔料系のクリームであるコロンブス ブートブラック(シルバーライン)を重ね塗りしてみます。
※染料系で染み込んだクリームを上から顔料系のクリームで蓋をするイメージです。
効果があったかどうかは分かりませんが、少し色が濃くなってきたような気がします。
ただ、この方法はクリームを2度塗りするので、靴が油分過多の状態になります。
油分過多になると、革が柔らかくなりすぎて型くずれをおこす場合がありますし、クリームが革に浸透せずベタついたり、ホコリがつきやすくなったりしますので、靴にはよくないです。
顔料系の靴クリーム「コロンブスのシルバーラインシュークリーム」はこちらからご覧ください↓
ヤケになって黒の靴クリームを塗り込む
購入から半年後、やっぱり靴クリームだけでは難しいなと諦め感が出てきた頃、こうなったら最初から黒のクリームを塗ってみようと思い、半ばヤケになりながら、染料系のM.モゥブレィ シュークリームジャーのブラックを靴に塗り込んでみました。
革靴に詳しい方なら、絶対にしないような暴挙に出てしまいました。みたらしとーさんご乱心です。
でも、結構、分かるくらいに濃くはなりました。
少量ずつ薄く塗り込む感じにしましたが、塗り方を間違えるとムラになってしまう可能性があるので注意が必要です。
黒のワックスでつま先をアンティーク仕上げにする
茶色の靴をアンティーク仕上げのような雰囲気にしてみれば、茶色が浮くことはないのではないかと思い、黒とダークブラウンの油性ワックスで、いわゆるアンティーク仕上げに挑戦しました。
通常の鏡面磨きのようにネル生地を使うとうまく色が乗らないので、指にワックスを付けトントンと置く感じでつま先にワックスを乗せていきます。
つま先のワックスが乾いてきたら、指の腹でこすってグラデーションを作りつつ表面をツルツルにしていきます。
まだ、改善の余地はありそうですが、なんとなくアンティークな感じになってませんか?
今回使用した油性ワックス「KIWIパレードグロス」はこちらからご覧ください↓
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アンティーク仕上げをしてみたときの記事はこちらもご覧ください↓
一番効果があったのはクレム1925
いろいろ試行錯誤してきて、さらに1年半後です。
これまで、色ムラが出にくいだろうという判断で染料系のM.モウブレイシュークリームジャーを使ってきましたが、サフィールノワールのクレム1925がアンティークな風合いに最適とのこと。
クレム1925の光沢感は、革靴の色がさらに浮いてしまうのではと敬遠していましたが、確かに油性クリームでありながら浸透力がすごいクレム1925は効果的かもしれません(なんで今まで試さなかったんだ…)。
クレム1925は顔料系に分類されていますが、粒子が細かく革への浸透力がスゴいことで有名です。
ただ、浸透力がスゴい分、染みになりやすいので、とにかく慎重に塗っていきます。
クリームを塗り込んだあとは豚毛ブラシで馴染ませます。その後、ストッキングで余分なクリームを取り除きました。
ブラックのクレム1925を塗り込んだあとの靴です。大分、ダークブラウンっぽくなりました。
サフィールノワールのクレム1925は、浸透力も光沢感も間違いない靴クリームです↓
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>>サフィールノワール クレム1925をレビュー【ダントツの光沢と抜群の浸透力】
靴クリームで濃くした結果
購入当初から約2年試行錯誤してきました。
最初よりは大分、濃くなりました。
コツとしては、「少量ずつ」しっかり革に「擦り込む」ように塗っていくことかなと思います。
即効性を求めてクリームを多く取って、革の上に色を乗せるように着色すると、塗ったときはかなり濃くなりますが履いていると色落ちしてしまいます。
私は、強引に黒のクリームを使用しましたが、黒でなくても少し濃いめのダークブラウンなどを根気よく塗っていくだけでも十分濃くなるかもしれません。
靴クリームだけで革靴を濃くできるかやってみた|まとめ
いろいろ試したおかげで、一応、購入当初の明るいブラウンからは茶色が濃くなって、靴だけすごく浮くという感じではなくなりました。
今では、仕事用革靴のローテーションの一角としてがんばってくれています。
まあ、妻には「別に、おじさんの靴なんて誰も見てないって」と言われ続けましたが……。
今後も引き続き、いろいろ試してみてその結果をお伝えできればと思っています。
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≫【茶靴なのに雨でもイケる】ブラウンのシャインオアレインをレビュー
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コメント一覧
ご返信ありがとうございます。
クリーナーは定期的に使っていらっしゃったのですね。
使うとリセットされてしまうと思っていました。
手元にコロニル1909のミディアムブラウンがあるので、まずはそこから試していこうかなと思います!
(ダークブラウンを塗ったらくすんだ感じになってしまいました…)
そうですね。
私はヤケクソで濃い色というかブラックを使いましたが、まずはミディアムブラウンで様子を見ながらでよろしいのかなと思います。
※すぐに濃くすることはできないですけど、時間をかけて塗っていくことで徐々に定着していくと思います。
素晴らしい実験をありがとうございます。
メチャクチャきれいに仕上がってますね。
奥様にひと言言いたい。
おじさんだからこそ、悲しい事に靴しか見られないんです!
僕もおじさんなのでそこはよくわかります。
コメントありがとうございます!
そうですよね。むしろ「おじさんだからこそ」ですよね。
気持ちを分かっていただけて、嬉しい限りです。
ライトブラウンの靴を濃くしたいと調べていて辿り着きました。
1つお聞きしたいのですが、濃いクリームを塗っている間はクリーナーはどんなものを使っていましたか?
コメントありがとうございます。
私はM.モゥブレイのステインリムーバーを使いました。ステインリムーバーで軽く拭きとる感じです。
最初のうちはクリームが拭き取られて塗った色も落ちますが、そのうち色が浸透したのか定着して取れなくなりました。
ただ、ライトブラウンの靴とのことで、濃いクリームはかなりシミになりやすいと思います。くれぐれも慎重に、一気に色を変えようとせず塗りすぎないようにしてくださいね。
この方法はセオリーを無視したやり方ですので。