サラリーマンが仕事用の革靴を購入しようとして候補となるのが、ガラスレザーの靴です。
でもガラスレザーって、経年変化が楽しめないからつまんないよね……。
こんな理由からガラスレザーは、革靴好きの方、特に靴磨きが好きな方からはあまり好かれていません。
でも、本当にガラスレザーってエイジングが楽しめないでしょうか?
もちろん、通常の銀付き革のように、「革が育つ」というような革特有のエイジング感はありませんが、私はガラスレザーも特有のエイジングがあると思っています。
この記事では、経年変化が楽しめないと言われるガラスレザーのエイジングについて考えてみました。
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【この記事を書いた人】
革靴歴約30年のサラリーマンが解説します。
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- 革靴は仕事道具。「ガッツリ履いて、しっかりお手入れ」がモットーです。
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ガラスレザーとは
ガラスレザーは、「ガラス張り革」とも呼ばれ、原皮を平らなガラス板に貼り付けて乾燥させ、顔料系の塗料や合成樹脂を使って表面を均一に仕上げた革です。
原皮の表面に残っている虫刺さされやキズのあとを目立たなくすることができるので、キズが残る安価な皮でも靴用の革として安定的に供給することができます。
- ガラスレザーのメリット
- 最初から何もしなくても光沢がある
- 普通の革靴よりお手入れが簡単
- 水に強いので天気を気にせず履ける
- ガラスレザーのデメリット
- お手入れで革を育てる感じにはならない
- 履きジワが人工的
- 使用頻度が多いと、履きジワからひび割れしやすい
光沢があってお手入れも簡単ですが、その反面、革が人工的で経年変化を感じられないです。
ガラスレザーのメリットとデメリットは、表裏一体といえますね。
ガラスレザーはお手入れ不要なのか?
一般的な考え方
ガラスレザーは樹脂でコーティング加工された革であるため、靴クリームなどの保湿成分が革に浸透しづらく、普通のお手入れではあまり効果がないと言われます。
そのため、お手入れは馬毛ブラシでブラッシングしてホコリを落とし、軽く濡らした布などで汚れを拭きとるぐらいで十分というのが一般的な考え方です。
ガラスレザーは「買ったときがピーク」、「履けば履くだけ劣化していく」とよく言われます。
靴クリームの効果が全くないという訳ではないようですが……。
ガラスレザーに効果のあるお手入れ方法を考えてみる
ガラスレザーの靴を長く履くためには、履きジワなどの屈曲する部分のひび割れを防ぐことが大事です。
ひび割れを防ぐには、樹脂の中の皮革部分まで保湿成分を浸透させ、さらに樹脂の柔らかさもキープする必要があると考えました。
ガラスレザーはいくらクリームなどが浸透しにくい革といっても、全く浸透しないというわけではありません。
ガラスレザーは水に強いと言われますが完全な防水靴という訳ではなく、雨などでずっと水に濡れていれば中に水が浸透してきます。
ということは、水のような液体であれば、ガラスレザーでも浸透するのではないでしょうか。
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おすすめのガラスレザーのお手入れ(靴磨き)方法
私が普段からガラスレザーの靴に実践しているお手入れ方法を紹介します。
- 馬毛ブラシでブラッシング(ホコリ落とし)
- タピールレーダーオイルを塗布(汚れ落としor保湿)
- サフィールノワールクレム1925で靴磨き(保革orツヤ出し)
馬毛ブラシでブラッシング
通常の靴磨きと同様、馬毛ブラシでブラッシングしてホコリを落とします。
タピール レーダーオイルを塗布
ガラスレザーのお手入れに使うケア用品で、私が一番のおすすめするのがタピールのレーダーオイルです。
レーダーオイルは、ドイツの皮革ケアブランドであるタピールが展開するケア用品で、本来の用途はクリーナーですが、柔軟性を与えて保湿もできます。
靴磨き好き界隈では(どこ?)、革をしっとり保湿できるということでファンも多いです。
主成分は3種類のオイルと酢。オイルは保湿と汚れ落としの効果、酢は除菌効果があります。
私はレーダーオイルを靴のプレメンテナンス用に購入しましたが、今ではガラス靴のお手入れ用として重宝しています。
使用方法ですが、まず、オイルと酢が分離しているので、よく振ってから指に巻いた布に染み込ませます。
布にオイルを染み込ませたら、履きジワから全体に塗っていきます。
銀付き革に塗布する場合、オイルを塗りすぎると全然光沢がなくなる(油分過多の状態になる)ので注意が必要ですが、ガラスレザーはそこまで気にする必要はありません。
※私はガラスレザーにオイルを浸透させるため、結構塗り込みます。
本職がクリーナーだけあって、しっかり古いクリームを取り除いてくれます。まさに皮革製品の万能薬!
レーダーオイルを全体にも塗ったら、半日~1日ぐらい置いて革にオイルを浸透させます。
レーダーオイルでお手入れすると、履きジワの部分を中心にモチモチというのは大げさですが、革が柔らかくなりしっかり保湿・保革できてるような感じになります。
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サフィールノワール クレム1925で靴磨き
レーダーオイルを全体に塗って1日置きました。ガラスレザーもさすがにマットな感じになります。
そこで、サフィールノワール「クレム1925」で仕上げです。
クレム1925は革靴用靴クリームの中でも抜群の浸透力を誇ります。そして光沢もスゴイです。
クレム1925を使うのは、レーダーオイルでマットになった靴にツヤを出したいというのもありますが、浸透力が高い油性クリームで履きジワの部分の樹脂を柔らかくして、ひび割れを防ぐのが目的です。
全体にクリームを塗布しました。
クレム1925を塗ったら、豚毛ブラシでブラッシングします。
豚毛ブラシを使うのはクリームを革に馴染ませるためですが、ガラスレザーの場合は馴染ませるのが難しいので、全体にまんべんなく広げる作業になります。
ストッキングや布で乾拭きして、余計なクリームを拭き取ります。
お手入れ終了です。クレム1925は、めちゃめちゃ艶が出ます。
サフィールクレム1925はこちら↓(ツヤ感と浸透力はダントツです)
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>>サフィールノワール クレム1925をレビュー【ダントツの光沢と抜群の浸透力】
ガラスレザーのエイジング
タピールのレーダーオイルで定期的にお手入れすることにより、足型に馴染んでくるというか、説明が難しいですが、直線的な革から曲線的な革?になってきたような感じがします。
「ちょっと何言ってるか分かんない」って言われそうですが……。
履きジワの前後というか、履きジワからつま先にかけての曲線は、靴が馴染んできた感じに見えるのですがどうでしょう?
私的には、自分の足に馴染んだ曲線的なラインがなんとも言えない良い味に見え、これがガラスレザーのエイジングではないかと思っています。
デメリットである人工的な履きジワも少しはマシになっているような感じです(さすがに劇的に改善というわけにはいきませんが)。
おすすめのガラスレザーの革靴
リーガル
811RBBP
リーガル 811RBBPは、冬道対応ソール スノーホールドを使用したストレートチップです(今回、お手入れをした靴です)。
針状の酸化亜鉛単結晶体「パナテトラ」の配合で、凍結路面でのひっかき効果を獲得。また、縦横にスリットが入ったブロックを配置し、雪道などあらゆる方向に滑りにくい構造となっています。
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315RBD
315RBDは、革の質感や仕上げや艶感などにこだわって作られているため、上品な光沢があります。
シュッとしたロングノーズのストレートチップなので、ビジネスのほか、冠婚葬祭にも適した靴のデザインとなっています。
ヒールが約32mmとリーガルの他の商品と比較して約5mmほど高い仕様となっています。
2504NA
リーガルビジネスシューズといえば2504と商品番号で呼ばれる、定番中の定番の靴です。
ファンが多くこの商品しか履かないというビジネスマンも多いようです。
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≫【侮るなかれ】いざという時の革靴はリーガルのガラスレザーがおすすめ
スコッチグレイン
604BL ネイキッド
スコッチグレインの革靴でガラスレザーを使用したものは珍しいです。
シリーズ名にも採用している「ネイキッドソール」は、アメリカンテイストを出すため、粗く削った状態であえて留めて、ワイルドさを残したカジュアルな雰囲気を演出しています。
604BLは、外羽根のプレーンモデルですが、ストレートチップやチャッカーブーツも用意されています。
ガラスレザーもエイジングを楽しむ|まとめ
雨にも強くお手入れも簡単なガラスレザーの靴は、サラリーマンが仕事用革靴におすすめです。
ガラスレザーには革が人工的で、革本来の経年変化を感じられないというデメリットがありますが、皮革部分まで保湿成分を浸透させ、さらに樹脂も柔らかさをキープすることでデメリットを軽減することができます。
特にタピール レーダーオイルとサフィールノワール クレム1925は、ガラスレザーの靴にかなりおすすめのケア用品だと思います。
サラリーマンはますます大変になってきていますが、丈夫でお手入れが簡単なガラスレザーの革靴をガシガシ履いて、しっかりお手入れをして、がんばっていきましょう!
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