革のダイヤモンドとも言われている高級革の「コードバン」。そんなコードバンをお手入れするためのクリームがコードバンクリーム レノベーターです。
コードバンを使った高級革靴なんて持ってないから僕には関係ないね……。
実はこのクリーム、サラリーマン御用達ともいえる「ガラスレザー靴」のお手入れにも使うことができるんです。
コードバン用の粘度のあるクリームが、樹脂加工されてツルツルしているガラスレザーにもしっかり定着して保革・補色します。
この記事では、ガラスレザー靴のお手入れにコードバンクリーム レノベーターを愛用している私が、実際に使ってみた使用感やメリット・デメリットなどを正直にレビューします。
ガラスレザー靴をお手入れするためのクリームが気になっている方は、ぜひご覧ください。
なお、コードバン用クリームのレビュー記事ですが、コードバンの靴は出てきませんのであしからず(汗)。いつかはレビューしたい……。
✔コードバンクリーム レノベーターのメリット・デメリット
【この記事を書いた人】
革靴歴約30年のサラリーマンが解説します。
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コードバンクリーム レノベーターの基本情報
コードバンクリーム レノベーターは、その名のとおりコードバンの革靴をお手入れするためのクリームです。
【商品情報】
クリームの種類 | 乳化性クリーム |
メーカー | M.MOWBRAY(エム.モゥブレィ) |
定価 | 1,650円(税込み) |
容量 | 60ml |
カラー展開 | 全7色 |
原産国 | イタリア |
用途 | コードバンの補色、栄養補給、ツヤ出し ガラスレザーの補色、ツヤ出し |
成分は「ロウ」「油脂」「有機溶剤」とだけ記載されていますが、クリームの種類が「乳化性」なので水分も含まれていると思われます。
コードバンクリーム レノベーターの特徴
コードバンクリーム レノベーターはかなり粘度の高いクリームです。
なぜ粘度が高い?
コードバンの表面は細かい剣山のような繊維がびっしり詰まっていて、その繊維を無理やり寝かせている状態です。
使っているとその繊維が毛羽立ってきて光沢もなくなってくるため、粘度の高いクリームを使って繊維の毛羽立ちを抑える必要があります。
この粘度の高さで毛羽立ったコードバンの繊維をしっかり抑えます。
通常、クリームは水分や油分が多ければ柔らかく、ロウ分が多ければ硬めのクリームになるので、このクリームはロウ分の比率が高いのではないでしょうか。
ガラスレザーに使える理由
ガラスレザーは原皮を平らなガラス板に貼り付けて乾燥させ、顔料系の塗料や合成樹脂を使って表面を均一に仕上げた革です。
樹脂でコーティングされているため、表面がツルツルして通常のクリームではあまり革に定着しません。
コードバンクリーム レノベーターは、そんなツルツルの靴にも粘度の高さでしっかり定着するため、ガラスレザー靴のお手入れに最適というわけです。
靴磨き芸人でYouTuberの奥野さんも、ガラスレザーのケアにコードバンクリームをおすすめしています。
伝統のシューケアメーカー M.モゥブレィで販売
M.モゥブレィは、イタリア・トスカーナ州の伝統あるファクトリー(製造工場)で、皮革用クリームなどを製造する高級シューケアブランドです。
熟練の職人によるハンドメイド的製法を堅持して、欧州の伝統と品質を現代に受け継いでいます。
日本でもおなじみのシューケアメーカーであり、販売されているケア用品では、乳化性クリームのシュークリームジャーや保湿特化クリームの「デリケートクリーム」などが有名です。
【あわせて読みたい】
>>【自然なツヤ感】M.モゥブレィ シュークリームジャーをレビュー
>>【ぷるんと革に浸透】M.モゥブレィデリケートクリームをレビュー
コードバンクリーム レノベーターでガラスレザー靴をお手入れしてみた
実際にコードバンクリーム レノベーターでガラスレザーの靴をお手入れしていきたいと思います。
今回お手入れするのはリーガルの2504NA。リーガル定番のガラスレザーの外羽根プレーントゥです。
【あわせて読みたい】
リーガル2504NAのレビュー記事はこちら
事前準備
お手入れの事前準備は以下のとおりです。
- 靴のシューレース(靴紐)を取る
- 馬毛ブラシで全体をブラッシングしてホコリを払う(馬毛ブラシがなければ、固く絞った濡れた布で拭く)
- 革靴用のクリーナーで汚れや古いクリームを落とす(リムーバーがなければ省略してもOK)。
事前準備が完了し、すっぴん状態のリーガル2504NA。
ペネトレイトブラシで塗布
クリーム塗布用のペネトレイトブラシを使って靴全体に塗布します。
靴クリームを靴に塗布する際に私はいつも指で塗りますが、このクリームは粘度があって滑らないためペネトレイトブラシを使っています。
米粒2〜3粒ぐらいを薄く全体に塗布。
粘度が高いのでガラスレザーにもしっかり定着しました。
豚毛ブラシでブラッシング
左右の靴にクリームを塗ったらクリームが浸透(定着)するまで30分ぐらい置きます。
クリームの質感からそこまで革に浸透する感じはしないので、塗布後すぐブラッシングしても問題ないかもしれませんが、念のため。
豚毛ブラシでブラッシングしてクリームを全体に馴染ませます。
これだけでも大分ツヤがでます。
馬毛ブラシでもブラッシング
通常の靴磨きだと豚毛ブラシだけで十分ですが、ガラスレザーの場合はさらに馬毛ブラシでブラッシングするのがおすすめです。
豚毛ブラシより柔らかいブラシなので、さらに均等に馴染ませることができます。
馬毛ブラシで結構強めにブラッシングします。
馬毛ブラシでブラッシングしたあとです。クリームが均等に馴染んで、ほどよい光沢も出ます。
グローブクロスで乾拭き
グローブクロスを使って余分なクリームを取り除きます。
乾拭きすると余分なクリームが取れて革がツヤツヤです。
ワックスで鏡面磨き
ここまでで靴のお手入れは十分ですが、せっかくなのでワックスで鏡面磨きをしましょう。
ガラスレザーの靴は樹脂コーティングのせいでワックスが定着しづらいですが、コードバンクリームを塗布した靴はワックスが塗りやすいです。
コードバンクリームの粘度のおかげでワックスが定着しやすくなっています。
お手入れ後のガラスレザー靴
コードバンクリーム レノベーターでのお手入れ後のガラスレザー靴です。
ガラスレザーなのになんとなくコードバンのような重厚感のある光沢ではないでしょうか?
コードバンっぽいといえば大げさですが、いい感じです。
コードバンクリーム レノベーターのメリット
コードバンクリーム レノベーターのメリット(おすすめポイント)は以下の3つです。
- 粘度が高く革にしっかり定着
- ほどよい光沢感
- ワックスを定着させやすい
詳しく解説します。
粘度が高く革にしっかり定着
コードバンクリーム レノベーターは、細かい繊維が毛羽立ちやすいコードバンをお手入れするためのクリームなので、水分量が少ない粘度の高いクリームです。
粘度が高い分、しっかりと革に定着して保革・補色します。
革にもしっかり定着するので、樹脂コーティングでツルツルしたガラスレザー靴のお手入れに最適です。
ほどよくきれいな光沢感
水分量が少なくロウ分が多く配合されていることもあり、重厚感のあるいい感じのツヤが出ます。
豚毛ブラシでブラッシングしたあとに、豚毛より柔らかい馬毛ブラシで続けてブラッシングするときめ細かいツヤが出るのでおすすめです。
ワックスが定着しやすい
ガラスレザー靴は樹脂コーティングで表面がツルツルしているため、ワックスが定着せず、鏡面磨きが難しいですが、コードバンクリーム レノベーターを塗布したあとはワックスが定着しやすいです。
コードバン用のクリームでお手入れしてワックスで光らせると、”ワンチャン”ガラスレザー靴がコードバンの靴に見えるような……。
3mぐらい離れて薄目で見ればなんとか…見えないか(汗)
コードバンクリーム レノベーターのデメリット
コードバンクリーム レノベーターのデメリットも紹介します。
- 伸びが悪く塗りにくい
- 浸透性はそこまで高くなさそう
伸びが悪く塗りにくい
粘度の高さの裏返しですが、伸びが悪く滑らないので普通の靴クリームと比べると塗りにくいです。
特に指で塗るとギュッギュッと滑りが悪く、薄く塗り伸ばすのが難しい感じがします。
ただし、クリーム塗布用のペネトレイトブラシを使うと靴全体にしっかり塗り伸ばすことができます。
浸透性はそこまで高くなさそう
ガラスレザー靴の場合ですが、浸透性は高くないと思います。
浸透して保革するというよりは、革の上に定着して保革するというイメージです。
履きジワなどに油を挿して金属疲労を防ぐような感じかなと思います。
ただし、普通の靴クリームもガラスレザーの靴には浸透しづらいと言われていますので、コードバンクリームが特別浸透しないわけではないです。
コードバンクリーム レノベーターの口コミ
コードバンクリーム レノベーターの口コミを紹介します。
良い口コミ
ネットショップなどで調査した良い口コミです。
- 仕上げ後のツヤは良いと思う。履き皺も目立たなくなった。
- 100%とは言えないが、分からないくらいに傷を消すことができた。
- リーガルのガラスレザーの靴に使用したらピカピカになった。期待通り。
- ガラスレザーのローファーにキズを付けてしまったが、このクリームでほぼ「消えた」と言っていいレベルにまで復活した。
- ガラスレザーの靴に使用したが、適度な粘性で伸びもよく塗りやすかった。
良い口コミは、「傷が消えた」「光沢がしっかり出た」というクリームの特徴どおりの評価が多い印象です。
悪い(ネガティブな)口コミ
悪い(ネガティブな)口コミも紹介します。
- クリームの伸びが乳化性クリームと比べて良くないので扱いにくい感がある。
- ガラスレザーに着色可能とあったが全く色が入らない。
- 伸びも悪いしガラスレザーだからしょうがないが浸透してる感も全くない。
悪い(ネガティブな)口コミは、デメリットでも紹介した「伸びが悪くて使いづらい」「浸透している感じがしない」という評価が多かったです。
まとめ|コードバンクリーム レノベーターは粘度が高くしっかり定着するクリーム
この記事では、コードバンクリーム レノベーターを実際に使ってみた使用感をレビューし、メリット・デメリットなどを解説しました。
コードバンクリーム レノベーターは粘度が高くガラスレザーのようなコーティングされた革にもしっかり定着して保革・補色します。
ガラスレザー靴のお手入れ用にコードバンクリーム レノベーターが気になっている方はぜひお試しください。
コードバンクリーム レノベーターを塗布するためのペネトレイトブラシも一緒に購入するのをおすすめします。
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